白百合学園は2025年7月8日、2027年度(令和9年度)から仙台白百合女子大学(宮城県仙台市)を男女共学に移行すると発表した。少子化で学生数が減少する中、東北地方唯一の4年制カトリック大学として、男女問わず門戸を開放する決断をしたという。 白百合学園は、北海道から九州まで全国10地区で、幼稚園から大学院まで27校の教育機関を設置。仙台白百合女子大学は、1966年の開学以来、キリスト教精神に基づく教育理念を掲げ、短期大学から4年制大学への昇格を経て、社会に貢献する女性を数多く輩出してきた。人間学部子ども教育学科(人間発達学科)、心理福祉学科、健康栄養学科、グローバル・スタディーズ学科の1学部4学科制。 今回、白百合学園の理事会において、2027年4月から仙台白百合女子大学を男女共学に移行することを決定した。男女共同参画の推進、共学志向の高まりなど、大学を取り巻く社会環境が開学時から大きく変化していることを受け、東北地方唯一の4年制カトリック大学として、男女を問わず門戸を開放するとともに、少子化による対象学生数の減少に対応し、教育の質の維持向上に向けて規模を確保するため、男女共学化への移行を決断したという。 共学化に向けては、2026年10月に男子を含めた学生募集を開始する。学部・学科構成は変わらないが、学科によってはコースを新設予定。教育内容は、学部共通・学科横断・文理融合のカリキュラムに刷新。教育環境は共学化に対応して整備し、キャンパスライフの魅力向上を目指すとしている。 白百合学園と仙台白百合女子大学は「共学化は大きな変革ではあるが、女子教育を通じて培ってきた教育理念に変わりはない。これまで通り、特色を生かしつつ、性別に関わらず、すべての人に門戸を開き、カトリック大学としての教育機会を提供し続けることができるよう、全教職員が一丸となって、よりよい大学づくりに取り組む」とコメントしている。 女子大学の共学化は全国各地で相次いでおり、2025年6月には武庫川女子大学(兵庫県西宮市)でも2027年度から共学化する方針を表明。白百合学園では、盛岡白百合学園中学高等学校が2026年度からの共学化を決めている。