通信制高校の認知度、学費支援制度の理解不足が浮き彫りに | NewsCafe

通信制高校の認知度、学費支援制度の理解不足が浮き彫りに

子育て・教育 リセマム/教育・受験/中学生
通信制高校の認知度、学費支援制度の理解不足が浮き彫りに
  • 通信制高校の認知度、学費支援制度の理解不足が浮き彫りに
  • 通信制高校選びの教科書
 2024年12月20日から12月31日にかけて、パワートラベラーの「通信制高校選びの教科書」編集部は、一般の成人を対象に「通信制高校に関する意識調査」を実施した。調査の結果、多くの人が通信制高校に対して「不登校の受け皿」や「自由な校風」といったイメージをもつ一方で、学費の支援制度やサポート校の存在を認識していない人が多いことが明らかになった。

 調査は、クラウドワークスを利用したアンケート形式で行われ、200名の一般成人が回答した。回答者の年齢層は30~39歳が最多で34.0%、ついで40~49歳が23.0%と、30~40代が全体の半数以上を占めた。性別は女性が60.0%、男性が39.5%で、女性の割合がやや高い結果となった。また、子供がいる回答者は51.5%で、特に1人または2人の子供をもつ家庭が多い傾向がみられた。調査対象の大半が育児世代に該当し、通信制高校の進学を検討する可能性がある層であることがうかがえる。

 調査結果によると、「通信制高校についてのイメージを教えてください」という質問に対し、もっとも多かった回答は「不登校の受け皿(30.5%)」で、ついで「自由な校風(25.5%)」という結果になった。多くの人が通信制高校を「何らかの事情で全日制の高校に通うことが難しい生徒が選ぶ場所」と捉えていることがわかる。特に、「不登校の受け皿」との回答が最多だった点は、通信制高校の本来の目的である「多様な学びのスタイルを提供する場」との認識に差があることを示している。

 一方で、「自由な校風」というポジティブなイメージも一定数あった。通信制高校は生徒が自分のペースで学べる環境が整っているため、型にはまらない学びを求める人にとって魅力的な選択肢となっている。しかし、「働きながら学べる」「専門的なスキルを身に付ける場所」などの回答は少なく、通信制高校が提供する多様な学びの可能性については、まだ十分に認知されていないと考えられる。

 また、「通信制高校の学費についてどの程度知っていますか?」という質問では、78.0%が「まったく知らなかった」と回答した。通信制高校は国の「高等学校等就学支援金」の対象であり、世帯収入などの条件を満たせば授業料が最大無料になる制度がある。しかし、本調査では約8割の人がこの支援制度を認識しておらず、多くの人が「通信制高校は高額な学費がかかる」と誤解している可能性がある。

 さらに、「通信制高校の生徒を支援する『通信制サポート校』の存在を知っていますか?」という質問に対し、68.0%が「まったく知らなかった」と回答した。通信制サポート校は、通信制高校に通う生徒の学習や生活を支援する目的で設立された教育機関で、進学指導や対面授業の提供、生活面のフォローなどを行っている。特に、通信制高校では自己管理が求められるため、サポート校の存在が生徒の学習継続に大きな役割を果たすことが多い。しかし、本調査の結果から、多くの人がこのサポート制度について認識していないことが明らかになった。

 「自分の子供が『通信制高校に通いたい』と言った場合、どのように対応しますか?」という質問では、「子供と話しあったうえで決める(61.5%)」がもっとも多い回答となった。この結果は、通信制高校への理解が進みつつある一方で、まだ慎重な姿勢を取る保護者が多いことを示している。通信制高校に対するネガティブなイメージをもつ人もいるため、保護者が安心して進学を決断できるような情報提供が求められるだろう。

 今回の調査から、通信制高校に対する認識にはまだまだ誤解が多く、特に「学費の支援制度」や「サポート校の存在」に関する理解が不足していることが分かった。今後は、通信制高校の魅力や支援体制をより広く伝えることが、選択肢の1つとして検討するうえで重要なポイントとなるだろう。「通信制高校選びの教科書」では、今後も通信制高校に関する正しい情報を発信し、学びの多様性を支援していくとしている。
《吹野准》

特集

page top