ベネッセコーポレーションは2024年11月28日、全国の少年院・少年刑務所・刑務所など41施設に対して、ICTプラットフォーム「Classi」の提供を開始したと発表した。法務省が進める修学支援施策の一環として、少年院等における高等学校卒業程度認定試験の指導体制の強化を目的に「Classi」が導入された。 法務省は、少年院等の入所者が社会復帰を円滑に進めるための修学支援を行っている。しかし、少年院等の学習環境は一般的な学校とは異なり、入所者の学習期間が個々に異なるため、長期的かつ継続的な学習環境の整備が課題となっている。これに対し、ベネッセは「Classi」を活用し、個別最適な学びの提供と指導者の指導方法向上を支援することで、これらの課題解決を目指している。 「Classi」は、全国で累計210万人の生徒が利用する実績をもつICTプラットフォームで、AIを活用した個別最適な学習内容を提供する。また、指導者が必要とする学習記録や指導ノウハウを共有できる環境を整備し、指導者の負担軽減にも寄与する。さらに、ベネッセの「基礎力診断テスト」を活用し、学習の目標設定や到達度の測定を行うことで、学習効果を高める取組みも行われている。 ベネッセの担当者は「導入から半年が経過し、施設での活用が徐々に始まっている。これまで個別指導が難しかった少年等に対し、Classiと基礎力診断テストを連携して活用することで、個々の学力に応じた学習が可能となった」とコメントしている。 この取組みは、法務省の修学支援事業の一環として進められており、出院後・出所後の進学や就職の選択肢を広げるための重要な施策とされている。