矢野経済研究所は2025年8月19日、国内の子供関連ビジネス市場に関する調査結果を公表した。2024年度の市場規模は前年度比2.2%増の10兆9,059億円と推計され、娯楽用品・レジャー分野と保育関連サービス分野が拡大を牽引。2025年度はさらに伸びると予測される。 子供関連ビジネス市場に関する調査は、2025年4月~6月、子供向けに商品・サービスを提供する事業者等を対象に、同社の専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによる取材、ならびに文献調査併用で行われた。調査における子供関連ビジネス市場は、国内の子供に向けた商品・サービス、6分野34市場を対象として、事業者売上高ベース(ただし、一部は興行収入ベース)で算出。対象となる子供の年齢は分野によって異なるが、0歳以上15歳以下としている。 調査によると、2024年度の子供関連ビジネス市場は、物価上昇による節約志向や支出抑制意識の高まりによるマイナスの影響を受けつつも、娯楽用品・レジャー分野と保育関連サービス分野の市場に支えられ、堅調に拡大。市場を構成する6分野のうち、娯楽用品・レジャー、食品、保育関連サービス分野は引き続き拡大し、衣料品分野は微増、教育サービス・学用品分野は前年度の縮小から下げ止まった。 子供関連ビジネス市場を構成する34市場を6分野別に見ると、最大規模は保育関連サービス分野である。その大半を構成する保育園市場は少子化進行の影響や新規開設ペースの鈍化により伸長率が鈍化しているが、少子化対策や子育て支援の拡充に向けた公的資金の投入により堅調な推移を維持している。2024年度は保育士の配置基準の見直しや処遇改善による補助金の増額がプラスに働いた。 学童保育市場も利用ニーズの高まりや運営費の上昇を背景に利用料の改定が進み、利用児童1人あたりの単価上昇によって市場が拡大した。 今後も少子化進行による需要層の縮小や物価高の影響を受けるものの、共働き世帯の増加にともなう預かりニーズに支えられ、安定した推移が見込まれる。2025年度の市場規模は前年度比3.2%増の11兆2,562億円と予測されている。 調査結果に加えて、オリジナル情報が掲載されたショートレポートは、1,980円で提供されている。