2026年卒の学生が就職活動に使用した平均金額が前年比約2,000円減の平均8万2,277円だったことが2025年7月25日、インディードリクルートパートナーズの調査でわかった。交通費や宿泊費の平均金額は増加しており、遠方への移動は費用負担が大きいことがうかがえた。 「就職プロセス調査」は2026年卒の大学生820人・大学院生302人を対象に、2025年6月1日時点の就職状況を調査したもの。大学生については、性別、専攻、所属大学の設置主体をもとに、実際の母集団の構成比に近づけるよう、文部科学省「学校基本調査」の数値を参照し、ウェイトバック集計を行っている。 調査によると、2026年卒の学生が就職活動に使用した平均金額は8万2,277円で、前年に比べ約2,000円減少した。地域別に見ると、「北海道・東北」が前年より約4万4,000円増加し、もっとも高い金額となった。一方、「関東」では約1万7,000円減少し、地域による差が大きいことが明らかになった。6月までに経験した各プロセスの参加形態では、最終面接において「対面のみ」の割合が前年より増加しており、特に遠方への移動をともなう学生にとって、近年の物価高の影響も相まって就職活動における費用負担が大きくなっていることも考えられる。 企業に対しては、各プロセスごとにオンラインと対面を使い分けたり、遠方の学生には交通費の支給を検討したりするなど、学生の経済的な負担を考慮するような工夫が求められている。学生との出会いの機会を広げるためにも、柔軟で配慮ある採用活動が重要である。 就職活動費用の内訳では、「交通費」「宿泊費」「スキルアップ費用」などで平均金額が前年に比べ増加している。特に「交通費」の平均金額を地域別で見ると、「関東」「近畿」では減少しているが、「中部」では増加しており、地域によって異なる傾向が見られる。 各プロセスの希望参加形態については、説明会ではオンラインでの実施希望が約4割、最終面接では対面での実施希望が約5割となっている。実際の参加形態では、説明会と1次面接は「オンラインのみ」が増加し、最終面接では「対面のみ」が56.1%でもっとも高く、前年より8.3ポイント増加した。ただし、各プロセスのオンラインと対面の参加状況には、居住地域による差が大きい。