突然、認知症の義母がキレた。「険しい顔でカバンを床に叩きつけ」さらに「突然ドンドンと壁を蹴り始めた」。きっかけを作った私が犯した最大のミスとは | NewsCafe

突然、認知症の義母がキレた。「険しい顔でカバンを床に叩きつけ」さらに「突然ドンドンと壁を蹴り始めた」。きっかけを作った私が犯した最大のミスとは

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突然、認知症の義母がキレた。「険しい顔でカバンを床に叩きつけ」さらに「突然ドンドンと壁を蹴り始めた」。きっかけを作った私が犯した最大のミスとは

こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。

【アラフィフライターの介護体験記】#15

▶前回の記事を読む▶▶「最近怒りっぽいな」。性格かと思いきや「認知症の初期症状」だった!どちらか判断するポイントは

▶「田舎に帰りたい!」それも認知症の症状

認知症の義母が「田舎に帰りたい!」と言い続けるには理由がある?

2年半ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住/食堂付き)で暮らしています。

今も認知症はゆるやかに進行中ですが、現在の環境にも少しずつ慣れ、友だちも出来て笑顔が増えたような気がしています。しかしホッとしたのも束の間、再びちょっとした問題が……!

それは、最近お義母さんの「田舎に帰りたいモード」が全開になってしまうこと。一度このスイッチが入るとなかなか厄介で、日常生活のペースが一気に崩れてしまいます(デイサービスに行かない、お風呂に入らない、など)。そんな様子を介護ヘルパーの資格を持つ叔母に伝えたところ、「おそらくそれは認知症による『帰宅願望』(※)ではないか?」とのことでした。

(※)認知症が原因で起こるBPSD(行動・心理症状)の一つで、「家に帰りたい」と言ったり、自宅や施設を出ようとしたりする行為。家とは実際の住まいだけでなく、実家や故郷、親しい人そのものを意味することもある。

 

▶「帰宅願望」が出現する原因は…

「帰宅願望」の根底にあるのは「不安」で、叔母は今の環境に何かしらの『不安』があり、そこから抜け出したい気持ちが大きいと思うまずは、少しでも『不安』を取り除いてあげることが大事。一度ゆっくり話を聞いてみてはどうか?」と提案してくれました。

しかし私は、「なるほど~」とその話に一度は納得したものの、食堂でのイベントに参加して友だちが増えるなど、このところ楽しそうに過ごしているお義母さんが、「不安」を抱えているとは思えなかった。

「田舎が恋しいのは仕方ないし、地元の友だちと電話すれば帰りたくなるのが普通でしょ」と考えた私は、叔母のアドバイス「お義母さんの話を聞き、不安を取り除く」を無視。夫とも話し、何とかこのままやり過ごすことに決めました。

▶適当な返事を続けた結果、最悪の事態に!

叔母のアドバイスを無視した結果、最悪の事態に!

その後も「帰宅願望」は続いていましたが、「田舎にはいつ帰れるの? いつ引っ越すの?」と聞かれれば、「そうですね、来月早々にでも帰りましょうか~? 帰ったら、行きたいところありますか?」とゆるめに返答。

「引っ越しの準備をしたいから、段ボールがほしい」と言われれば、「はいはい、段ボールですね~」と答え、すぐに「今夜の食堂のメニュー、美味しそうですよ」と話題を変更。「このままいけば、乗り切れる」と私は勝手に思い込んでいましたが……。

▶私のイライラがピークに達した瞬間、義母もキレた

ある朝、デイサービスへの出発時間が迫る中、「ねぇ、いつ帰るの?」と尋ねるお義母さんに適当に相槌を打っていた私。しかしその日に限って話題を変えても、「ねぇ、いつなの?」と再び同じようなやりとりが始まってしまいます。

そんな状況が続き、イライラがピークに達した私は「それ、この間も言ったんですけど、今は無理なんです! それより、早く準備しましょう!」と思わず強い口調に……。すると、何やら部屋の奥から大きな物音が聞こえました。

部屋を覗くと、そこには険しい顔でカバンを床に叩きつけるお義母さんの姿が。「もう、デイサービスには行きませんっ!」とベッドに戻って布団を被り、突然ドンドンと壁を蹴り始めたのです。これには私も動揺し、咄嗟に返す言葉が見つかりませんでした。

▶▶次のページ 認知症の方に「絶対に言ってはいけない」4つのNGワード。「不安が増大し、激怒するきっかけになります」


《OTONA SALONE》

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