リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「八王子東高等学校」の講評を速報する。このほかの共通問題(全5教科)と進学指導重点校(全7校)の自校作成問題についても同様に順次掲載する。
八王子東高等学校<英語>講評
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問題Aと問題Bの二部構成です。問題Aは設問ごとの対話文と質問を聞いて、与えられた選択肢から答えを選ぶ形式が3つあります。問題Bはある商業施設の館内放送と質問を聞いて適切な答えを選ぶ問題と、英語で答えを記述する問題が1つずつあります。
2.対話文の読解(約1380語):小問数10
人々の暮らしを助ける動物についての対話文です。文章中の空欄に適した文を選んで入れる問1や問2など、空欄の部分だけではなくその前後を含む広い範囲を読まなければ正解できない問題が多く出されました。都立八王子東高で頻出の形式である問5の並べかえ英作文は、本文の話の流れもふまえて、どのような和訳になるかを考えてから文を作る必要がありました。問9の自由英作文は、将来の仕事について自分の関心などをふまえながら、40語以上50語以内で意見を述べるものでした。
3.エッセイの読解(約1260語):小問数11
自分と他人を比べることの良い点と悪い点について、スクールカウンセラーとしての勤務経験がある英語教師が書いたエッセイです。問1・問5・問7は本文の内容と異なる文を選ぶ問題であり、選択肢の英文も注意して読む必要がありました。文章中の空欄に適した語や文を選んで入れる問2と問6は、最初の空欄の時点では答えが一つに決まらないため、答えやすいものから先に考えることでより速く正解にたどり着くことができました。文章中の空欄に適した1語を自分で考えて入れる問4は、一見様々な答えが考えられそうですが、自分と他人を比べるという本文のテーマに沿って考えると素早く解答することができました。
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2024年に引き続き、平方根の計算、二次方程式、確率、作図の4問からなる小問集合でした。いずれも基本問題でしたので、計算ミスに気をつけながら完答を目指したいところです。
2.二次関数
放物線と直線に関する問題でした。〔問1〕は変域、〔問2〕は三角形の面積が最大となるための放物線上の点、〔問3〕は台形と三角形の面積比に関する問題でした。〔問2〕は座標が整数であるという条件に注意が必要でした。〔問3〕は標準的な問題ですが、四角形ABCDの形に注目できたかで計算量に差が出たものと思われます。
3.円
円周を6等分する点を結んでできる図形に関する大問でした。〔問1〕は円内の角度、〔問2〕は三角形の合同の証明と円内の三角形の面積を求める問題でした。〔問2〕の(1)の証明は、説明が必要な要素が多く、書き方に戸惑ったかもしれません。(2)は(1)の誘導に沿って角度や長さを求めていくことがポイントでした。
4.空間図形
展開図だけが与えられた四面体についての大問でした。〔問1〕は面上の最短距離、〔問2〕、〔問3〕は体積に関する小問でした。〔問1〕は問題文を理解するのに時間がかかった受検生もいたかもしれません。〔問2〕、〔問3〕は立体図形の類題演習の経験の差が出た問題かと思われます。
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例年通り四字熟語を含む5問が出されました。受検生にとってなじみの薄い語句が出されています。
2.漢字の書き取り
大問1と同様に四字熟語を含む5問が出されました。一部なじみの薄い語句が含まれていますが、大問全体としては標準的な難度です。
3.青山美智子『リカバリー・カバヒコ』
主人公が妻とともにクリーニング店を営む母親のもとを訪れる場面を描いた小説文からの出題です。平易な言葉で書かれていて、会話文も多いため、読みにくさはありません。登場人物の心情を問う制限字数50字以内の記述が出されましたが、傍線部の前後を丁寧に読み取ることで解答が可能です。そのほか記号選択が4問出されましたが、いずれも標準的な難度です。
4.見田宗介『社会学入門』
社会の理想的なあり方を構想するうえで重要な、他者との関係性について述べた論説文からの出題です。図表を含む文章で、抽象的なテーマについて硬質な文体で述べられているため、読解に苦労した受検生も多かったかと思われます。例年通り記号選択4問と制限字数240字の課題作文が出されました。課題作文は文章の内容をふまえつつ、適切な具体例を自分で考える必要があります。
5.谷知子『古典のすすめ』
複数の和歌を引用しながら「幽玄」という言葉のルーツについて述べた論説文からの出題です。記号選択が中心ですが、引用された和歌の中から抜き出す形式の設問もありました。いずれも解答の根拠は明確であったため、手堅く得点につなげたいところです。
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このレポートは、2025年2月22日(土)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
協力:SAPIX中学部
SAPIX中学部 提供
東京都立高校入試講評(2015~2025年)