2025年度(令和7年度)2月18日(火)、千葉県公立高等学校入学者選抜(国語、数学、英語)が実施された。2月19日(水)に理科と社会の2教科が実施となる。千葉県教育委員会が2025年2月14日に発表した一般入学者選抜等の確定志願状況(全日制)によると、募集人員2万9,720人に対し3万3,854人が志願し、志願倍率は1.14倍だった。 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。<国語>講評(京葉学院 提供) 全体の出題構成は昨年度と同様でしたが、配点に変更されました。聞き取り問題の配点が減り、古文が、加算されました。古文は、昨年度から2年連続配点が上昇しています。漢字の読み取り・書き取り、説明的文章、文学的文章、200字作文は、例年通りの配点でした。ただし、200字作文では、解答の方向性が3種類ある形式の作文となり、例年と趣が変化した出題でした。1.聞き取り検査 小問数が、昨年度までの4問(8点)から3問(6点)に減りました。設問は、「坂本さんと加藤さん」の会話内容からの出題で、相手に自分の考えを伝えるために必要なことや注意点について考えさせる問題でした。「話し手の考え」と「聞く側の受け取り方」の差異を正しく捉える力が問われました。2.漢字の読み取り 小学1年生学習漢字から中学生学習漢字の出題でした。配点は例年通り2点×4問でした。(3)「静寂」の「寂」を「しゅく」としたり、日頃聞き慣れない(4)「謄本」を「しょうほん」あるいは空欄としたりする誤答が多かったのではないかと予想されます。3.漢字の書き取り 小学3年生から小学6年生で学習する漢字が出題されました。本年も、間違えやすい(誤答を誘う)漢字が出題されました。(1)『困る』は、『固』と間違えやすいでしょう。(2)「授かる」は、部首の「扌」が抜けてしまうケースがあります。(3)「航路」の「航」は、『坑・抗』と間違えやすいでしょう。(4)は、例年通り四字熟語の一部の出題でした。「初」の「衤」を「ネ」としてしまう誤りが多く見られます。4.説明的文章の読解 小問数は、昨年度同様6問、配点も23点と同様でした。設問においても昨年度同様、空欄補充形式で選択問題と記述問題が混在する出題がありました。選択問題は、本文を丁寧に読み進めたうえで紛らわしい選択肢を丁寧に吟味して正答を選ぶ力が求められました。記述問題は、参考文章を踏まえ、2つの語句を用いて40字以上50字以内で記述するものでした。参考文章の内容が本文のどの部分と関連するかを考えながら、必要な語句を不足なく使い記述することが求められました。抜き出し問題の出題はありませんでした。5.文学的文章の読解 小問数は昨年の6問から7問に増えましたが、配点は昨年度同様の23点でした。文法では「形容動詞の識別」が問われました。問題文の内容は、書道教室を舞台とした先生と生徒のやりとりの場面です。先生の言動から先生の生徒に対する指導の方針や、生徒からみた先生の考えや意図を考えさせ、先生・生徒の心情表現から心情理由を探る問題でした。また、記述問題は先生に対する生徒たちの思いを指定語句(3語句)を使用し空欄補充する形で記述する問題でした。指定語句を「先生」「生徒」のどちらに用いるべきかを考えながら解答を作成することが求められます。選択問題においては、内容説明や心情理由を問われるものでした。抜き出し問題の出題はありませんでした。6.古文の読解 聞き取り問題の配点が2点減少した分が、古文の配点に加算され、昨年度の18点から20点となりました。出題内容は、主語を問う・歴史仮名遣い・行動理由と、本文内容に生徒同士の会話文における空欄補充をする問題でした。空欄補充は、語句の補充選択問題と15字以上20字以内の記述問題でした。記述問題は、書き方の指定に合わせた形での記述でした。指定された形に本文内容から何を合わせて入れていくかを、本文を理解しながらまとめあげる問題でした。7.作文 解答の方向性が3種類ある形式で、例年のほぼ1種類に方向づけられる設問とは趣が異なりました。参考文『イソップ物語』の空欄に補充する言葉を選択し、それに対する共通条件の設問に答える問題でした。空欄に補充する言葉によって完成した文章から読み取れることを、自分の体験を含めて説明します。 このレポートは2025年2月18日(火)に速報として京葉学院により作成されたもの。協力:京葉学院