【共通テスト2025】東大生が「英語」を解いてみた「想像力が必要」 | NewsCafe

【共通テスト2025】東大生が「英語」を解いてみた「想像力が必要」

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北海道大学試験場(札幌キャンパス)2025年1月18日 共通テスト1日目のようす(記事の内容とは関係ありません)
  • 北海道大学試験場(札幌キャンパス)2025年1月18日 共通テスト1日目のようす(記事の内容とは関係ありません)
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 2025年1月18日、19日の2日間にわたって大学入試共通テストが実施された。英語の第四問は新形式が出たが、どのような内容だったか。東大生が実際に解いてみた感想とともに総覧していく。

 全体としては「標準的な難易度」とする学生が多かった。ただし、昨年と比べて700文字減少したことを考えると、来年以降は問題文の語数が増えて、難化する可能性を指摘する声も上がった。英語の運用能力というよりも、自分がどの立場から読解し、コメントするべきかを把握する能力が必要とされ、全体としては想像力が必要な場面が多かったように感じた。

他者の視点を想像する能力が必要
 リーディングの得点源としては第一問から第三問までとする声が多かった。これらは文章を読み、その内容の正誤を確認するだけである程度解けるため。「15分以内には解ききっておきたい」「ここは全問確保したい」とされた。

 一方で、第四問と第五問はコメント者の意図をくみ取ったり、生徒と教授双方の意見をまとめたりする必要があり、さまざまな視点から問題を俯瞰する能力が求められたため、他者の視点を想像する能力がないと厳しかったのではないだろうか。特に第五問は丁寧に推測して答えを出す必要があった。

 第六問は「友人が書いた架空のストーリーを読む」という設定の文章で、非現実的かつシュールな内容の文章が目立ち、従来の評論的、実用的な文章の読解に慣れた受験生たちには、ハードルが高かったかもしれない。

 第七問と第八問は非常に長く文章と問題が続くため、どのような順番で解き進めるか、事前に問題を確認するなどしておかないと、混乱したかもしれない。第七問の情報量に圧倒された受験生も多かっただろう。

 今回「難しかった問題」として多かったのは第六問であった。文章自体に過不足がある状態で、これを改良する前提で文章を読むのは、非常に状況設定からして難易度が高い。「個人的にはへたくそな文章を読んでフィードバックしてあげる形式それ自体が、テストとしていかがなものかと思う。テストとしては、読みごたえがあり、しっかりした文章を読ませて、ちゃんと読めているかを確認したほうが、良いのではないか」という意見も出てきた。

 東大生の意見をまとめたところ、全体として「『文章を早く読み、問われている要素を的確に抽出する力』と『さまざまな視点に立って多角的に文章を検討する力』が問われた回だった」とされた。対策法としては、まず基礎的な単語や表現を抑えて、難解な文章にも面食らわずに読んでいける基礎体力と基礎知識をつけるべきだろう。また、読解演習だけではなく、まとまった分量の英作文を自ら行うなどがあげられる。受け身に読んでいくだけではなく、作問者や当事者の視点から読み進める能力が必要となる場面が多かったためだ。

 問題数も文章量も減り、去年よりはとっつきやすさを感じるかもしれないが、やはりそれなりの難しさを保っている。資料と文章の内容を素早く把握し、整理する能力が一層重要となっていくだろう。

いかに普段から英語に触れているかが影響
 リスニングに関しては、やや「易化」したとの回答が多かった。第1問と第2問では音声がゆっくりと2回流れるので、第3問以降の問題文を先読みする時間に充てることもできるだろう。

 第3問からイギリス英語や、英語を母語としない話者がでてきたことで、焦ってしまった学生もいるのではないだろうか。いかに普段から英語に触れているかが影響する問題だったと言えるだろう。ただうまく聞き取れない部分があったとしても、文脈から内容を推測する想像力や、リスニング練習の経験があれば、対応できると考えられる。

 聴き慣れたリスニング教材だけではなく、知らない単語も入っている難易度を少し上げた教材を使用して、予測する能力を養うことで対策できるだろう。

 第4問と題5問では、連鎖問題が含まれていた。全問正解する必要があるので、失いたくない得点である。音声に追いつけなくなり、冷静さを欠くと失点につながるため、前置詞に注目し、今の話は「過去」の話なのか、「未来」の話なのか、メモをとり、整理しながら解くと良いだろう。
《カルペ・ディエム・布施川天馬》

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