日本郵便とYondemyは、全国の子供たちに新たな読書体験を提供するための実証実験を2025年春より順次開始する。Yondemyは、子供が読書にハマるオンライン習い事「ヨンデミー」を運営しており、今回の取組みでは日本郵便の全国ネットワークを活用し、郵便局内への本の設置や、選書した本を自宅に届けるサービスを展開する。 両社の連携の背景には、Yondemyが掲げる「日本中の子供たちへ、豊かな読書体験を届ける」というミッションがある。「ヨンデミー」は、全国の図書館を対象としたリアルタイム蔵書検索のAPIと連携し、ユーザーが指定した図書館で借りられる本を優先的におすすめするサービスだ。しかし、図書館が遠い地域では、子供たちが本を手に入れることが難しいという課題があった。 2024年7月に行われた「かんぽ生命 - アフラック – 日本郵便 Acceleration Program 2024」の3次選考において、Yondemyはそのビジネスアイデアが高く評価され、日本郵便と新たな事業の創出を目指すパートナー企業に選ばれた。日本郵便の広範なネットワークを活用することで、読書体験の充実を図るとともに、社会的課題の解決に向けた取組みを進める。 実証実験は2025年春より一部地域で試験運用を開始し、利用者の声を反映しながら全国展開を目指す。Yondemyと日本郵便は、本を起点に地域と連携し、読書文化の発展に貢献する新たな取組みを進めていく。 日本郵便の事業共創部は、「書店の減少により読書機会の減少が懸念される中、『日本中の子供たちに豊かな読書体験を届けたい』というYondemyの想いに共感し、協業検討が始まった」とコメントしている。郵便局ネットワークを活用し、「本の調達」に関する課題の解決に取り組むことで、ヨンデミーの新たな読書のサイクルの実現に挑戦する。 一方、Yondemyの代表取締役である笹沼颯太氏は、「これまでのヨンデミーには大きな課題が2つあった。1つは、子供が読書にハマればハマるほど図書館へ本を借りに行く頻度が上がり負担が増えること。もう1つは、図書館が遠かったり、行く時間が取れなかったりすると利用しづらいことだ」と述べている。「日本中の子供たちへ、豊かな読書体験を届ける」というミッションの実現に向け、日本郵便の郵便局ネットワークと連携を進められることに期待を寄せている。 Yondemyは、AIによる子供ひとりひとりの好みやレベルにあわせた選書や、1日3分で学べるミニレッスンを通じて、子供たちが「楽しく・たくさん・幅広く」本を読むことを支援している。今回の実証実験を通じて、さらに多くの子供たちに豊かな読書体験を提供することを目指している。