和歌山南陵高等学校は、オンライン音楽教室「オルコネ」を運営するオール・コネクションと2025年2月に業務提携を締結。2026年度から全国で初となる全日制・通信制の両方に対応した卒業単位として認定される音楽特化選択授業を開講する。生徒は全国どこからでもプロの音楽教育を受けながら、高校卒業資格の取得が可能となる。 これまで、本格的な音楽教育を提供する高校は首都圏や大都市圏に集中する傾向があり、地方在住の生徒や、登校に不安を抱える生徒にとっては進学のハードルが高いという課題があった。また、専門的な音楽の学習と高校卒業資格の取得を両立できる環境は、全国的にも限られていた。 今回の提携は、こうした「音楽を学びたいが通学が難しい」という生徒たちの課題解決を目指す、新たな教育モデルとなる。2025年度に全日制課程で卒業単位認定の選択授業「オンライン音楽レッスン」を開講。2026年度からは通信制課程でも全通併修制度を活用して同授業を開始する。これにより、全国で初めて、全日制・通信制の両方で卒業単位として認められる音楽レッスンの選択授業が実現する。 授業では、ピアノやバイオリン、ギター、サックス、DTM、作曲、ボーカルトレーニング、ボカロ、管楽器、打楽器など40種類以上の楽器や分野を学ぶことができる。ジャンルもポップス、ジャズ、クラシック、ラテンなど幅広く対応している。講師は、第一線で活躍する90名以上のプロミュージシャンが在籍し、生徒ひとりひとりに最適化されたオーダーメイドのカリキュラムで効率的なスキルアップをサポートする。 レッスンは全国どこからでもオンラインで受講でき、全日制・通信制ともに年間35回(オンラインと対面)のレッスンが卒業単位として認定される。さらに、音楽コンクールなどの受賞歴も卒業単位として認定できるため、音楽活動に打ち込むほど高校卒業が近付く仕組みとなっている。この仕組みにより、生徒は音楽活動と学業を両立させる新しい学びのスタイルを確立できる。 料金体系は「学費」と「音楽レッスン料」のみで、わかりやすさを重視している。全日制課程では高校の時間割に沿ってオンラインレッスンをおもに受講し、通信制課程では生徒のライフスタイルにあわせて柔軟に学習を進めることが可能だ。 専門コースも多数用意されており、「楽器初心者向けコース」のほか、「音大受験対策コース」「プロ志望コース」「音楽系YouTuber育成コース」「ボカロP育成コース」「保育士向けピアノコース」など、生徒の目標に応じた専門的な指導が受けられる。 和歌山南陵高等学校の甲斐三樹彦理事長は、この提携について、「音楽を志すすべての生徒に、現役第一線のプロミュージシャンからマンツーマンで指導を受けられるという、新たな学びの選択肢を提供できることを心から喜んでおります。和歌山南陵高等学校はこれからも、生徒ひとりひとりの才能を伸ばし、将来の可能性を広げる教育を推進してまいります」とコメントしている。