特別支援学校の不登校高校生が参加、短時間職業体験レポート | NewsCafe

特別支援学校の不登校高校生が参加、短時間職業体験レポート

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障害学生に働く自信とキャリアの選択肢を届ける
 レバレジーズは2025年10月9日、特別支援学校に在籍する不登校高校生を対象とした短時間職業体験プログラムを実施した。東京都立志村学園の生徒7名が参加し、同社本社で午後2時から4時30分まで2時間30分にわたって職業体験を行った。

 同プログラムは、体調の波により長期実習への参加が困難な生徒でも参加しやすい実習機会を創出することを目的として企画された。従来の数日間におよぶ長期実習では参加が難しい生徒に対し、短時間で「できた!」という成功体験を確実に積み重ねられる内容となっている。

 当日は生徒を2チームに分け、社内カフェでの接客・ドリンク作成と、社内で配布するお菓子の検品作業を体験した。カフェは社員で大盛況となったが、障害者社員のていねいなサポートにより、生徒は「とても楽しかった」と話していた。検品作業では、社内で設置するお菓子の数を数える作業を実施し、「ていねいに数えることができて良かった」などの声が上がった。

 また、同社の福利厚生である「社内お菓子」を決める会議にも参加し、生徒は意見を出し合い、その内容を社員に対してプレゼンテーションした。

 座談会では、志村学園の卒業生で現在同社で活躍している障害者社員が対応した。社員は今の仕事のやりがいや学生時代に就職のためにやったほうがいいことについて、生徒へ具体的に語りかけた。同じ学校の先輩との交流は、生徒にとって「自分にもできるかもしれない」という強い希望につながる機会となった。

 プログラム終了後は、障害者社員が主導し、当日の業務について丁寧な振り返りを実施した。生徒は、業務を通じて「できたこと」を改めて確認し、成功体験を自信として定着させることができた。

 学校の先生からは「学校では経験できないことを経験でき、生徒たちがとても生き生きしていた。こんな機会をいただけてありがたい、ぜひまたお願いしたい」との声が寄せられた。生徒からは「たのしかった」「カフェ接客を経験したが自分にあっている仕事だと実感できた」といった感想が聞かれ、成功体験を得られた喜びを話していた。

 志村学園の卒業生である障害者社員は「自分メインの座談会や評価する立場になるなど、初経験なことがたくさんあったが、生徒さんが心の底から楽しめるようなイベントになって自分も嬉しい」とコメントした。生徒への指導を通じて、社員自身が新たな役割と成長を実感する、相互に価値のある機会となった。

 本社のカフェという開かれた場所でプログラムを実施したことにより、社内においても障害者雇用の取組みへの認知度が大きく向上した。カフェに来店した社員は、生徒が真剣に業務に取り組む姿を温かく見守り、全社員にとってダイバーシティとインクルージョンについて考える貴重な機会となった。

 ワークリア事業責任者の津留有希子氏は「生徒の皆様が目を輝かせながら本物の仕事に取り組む姿、その時の緊張感、一体となって成功させようとする全員の雰囲気をみんなが感じた時間だったと思います。自分の可能性を考え、可能性を拡げるにはどうしたら良いか、座学やデモではなく、体感することの意味がとても大きいことに気づいた本取組みでした」とコメントした。

 今回のプログラムにより、体調の波に左右されがちな学生のキャリア形成において、短時間の実習が有効な手段であることがわかった。同社では、今後も継続的にこのプログラムを実施し、障害を持つ若者が「働く自信」とキャリアの選択肢を広げられるよう、学校・社会との連携を強化していく。
《吹野准》

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