【大学受験2026】学部再編と制度変更に注目…河合塾の最新動向まとめ | NewsCafe

【大学受験2026】学部再編と制度変更に注目…河合塾の最新動向まとめ

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18歳人口・大学志願者数の推移
  • 18歳人口・大学志願者数の推移
  • 入学定員を減員するおもな私立大
  • 国公立大 おもな学部・学科の新設・再編の動き(抜粋)
  • 私立大 おもな学部の新設・再編の動き(抜粋)
  • 私立大 受験料割引や特待生入試を行うおもな大学(抜粋)
 河合塾は2025年9月8日、Kei-Net Plusにて「2026年度入試状況分析&トピック解説」を公表した。少子化の影響や国の方針を受け、私立大学を中心に入学定員の削減が進む一方、私立を中心に学部新設・再編の動きが目立つ。共通テストのWeb出願や、いわゆる「年内入試」の動きなど、気になる入試トピックについてまとめている。

 2026年度の18歳人口は約109万人で、前年度とほぼ同水準となる。近年減少傾向にあったが、2025年度に小幅ながら増加へ転じており、2027年度までは横ばいで推移する見込み。進学率もわずかに上昇が予想されることから、2026年度入試の志願者数は2025年度並みか微増と見込まれる。一方、大学入学定員は私立大を中心に減少が続く。2025年度、私立大学の定員は前年より約1,100人減少し、2003年以来22年ぶりの減少となった。2026年度も跡見学園女子大が前年度比485人減、創価大が285人減、金城学院大が125人減など、1,000人以上の入学定員をもつ大学を含め定員削減が広がる見通し。背景には、文部科学省が示す「大学の経営改善」や「学部新設の厳格化」などの方針があり、定員未充足基準が厳格化されることで、規模の適正化を進めざるを得ない大学が増えている。

 国公立大学では、控えめながら2026年度も学部新設・再編の動きがある。山形大は現行の地域教育文化学部を教育学部に改組し、2005年に廃止した教員養成課程を復活させる。山口大は工学部の知能情報工学科を募集停止とし、情報学部として再編する。佐賀大は理系学生を対象とする「コスメティックサイエンス学環」を、熊本大は文理双方から受験可能な「共創学環」を新設する予定。

 後期日程廃止の動きは継続して拡大する動きがみられる。2026年度は、旭川医科大(医-医)、山形大(教育・医)、広島大(法・生物生産)、佐賀大(医-医)などが廃止を決定。とくに医学科では後期日程の機会が減り、志願動向に影響が及ぶとみられる。また、共通テスト科目「情報」については、北海道大が新たに点数化を実施。北見工業大、富山県立大などで「情報」を新たに必須科目とする動きもみられる。

 私立大学では学部新設・再編の動きが目立つ。首都圏では亜細亜大が健康スポーツ科学部、学習院大が国際文化交流学部(学習院女子大との統合による設置)、成蹊大が国際共創学部を新設。中央大は理工学部を改組し、基幹理工・社会理工・先進理工の3学部を新設。東京理科大も既存学科を再編する形で創域情報学部を設ける。立教大は環境学部を立ち上げ、文理双方から受験できる柔軟な科目設定を導入する。関西では、京都産業大がアントレプレナーシップ学部、立命館大がデザイン・アート学部を新設。近畿大は看護学部を、桃山学院大は同大初の理系学部となる工学部を設置する予定だ。

 入試制度面の大きな変更点として、2026年度の大学入学共通テストからWeb出願が導入される。受験生がマイページを作成し、出願から受験票の取得までを個人でオンラインで完結できるようになる。また、総合型・学校推薦型選抜では、出願書類に加え、小論文、面接、実技などの評価方法と組み合わせることを条件に、2月1日よりも前に学科試験を実施することが正式に容認された。「基礎学力方式」や「学科試験型」といった新方式を導入する大学が確認されており、いわゆる「年内入試」の動きが広がると想定される。なお、一般選抜については従来通り2月1日からの実施ルールを遵守するよう文科省が大学側に求めており、獨協医科大や金沢医科大、川崎医科大など、医学科を含む複数大学で試験日を2月以降に後ろ倒しする動きがみられる。

 受験生の経済的負担を軽減する取組みも広がる。神奈川大や名城大、京都産業大では受験料の併願割引を新たに実施。東海大や関東学院大、岡山理科大などは特待生入試を新設し、成績優秀者に学費免除や奨学金給付を行う。さらに、文科省が入学金について受験生の負担軽減を検討するよう要請したことを受け、桃山学院大では併願制入試で入学金を支払った受験生を対象に入学金の8割を返金する制度を導入。国公立大進学の場合に入学金を全額返金する大学も現れており、今後こうした対応をとる大学は増えるものとみられる。
《畑山望》

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