産学共同研究・受託研究収入額トップ10大学、1位「東大」550億円 | NewsCafe

産学共同研究・受託研究収入額トップ10大学、1位「東大」550億円

子育て・教育 リセマム/教育・受験/大学生
国内大学の産学共同研究・受託研究収入額ランキング
  • 国内大学の産学共同研究・受託研究収入額ランキング
  • 国内大学の産学共同研究・受託研究収入額ランキング
 ポップコーンが運営するWebメディア「大学パワーランキング」によると、国内大学の産学共同研究・受託研究収入額は、東京大学が約550億円程度ともっとも高いことが明らかになった。

 国内大学の産学共同研究・受託研究収入額ランキングは、民間企業および官公庁から大学が受け入れた共同研究費と受託研究費の年間総額を集計し、金額の大きい順に上位10大学を並べたもの。なお対象年度は直近の財政年度(2022年度)で、金額は百万円単位から概算し、億円単位に丸めて表示している。

 1位の東京大学は、産学協創推進本部を中心に、自動車・電機・素材などの大企業との共同研究や国家プロジェクトを多数受託している。2023年度には、企業からの共同研究費だけで約184億円、件数は1,900件を超え、いずれも全国トップである。研究シーズの網羅性と迅速な契約プロセスが、巨額資金獲得を支えている。

 2位の大阪大学は、2018年に設立された共創機構を中心に「組織対組織」の包括提携を推進している。2022年度には、民間共同研究費が初めて100億円を突破し、西日本の産学連携拠点として急成長している。医薬・材料・ICTをはじめ、大型共同研究講座109件を展開し、共創型プロジェクトが収入増を牽引している。

 3位の京都大学は、iPS細胞研究所(CiRA)を軸に再生医療・創薬で世界的成果を上げ、企業連携収入を拡大している。企業からの研究資金は約111億円で全国3位、特許収入も国内トップクラスである。大学発ベンチャー創出が活発で、基礎研究の強みを社会実装へ結び付けている。

 4位の東北大学は、材料科学・電子デバイス分野で強みを発揮し、共同研究件数1,400件超(全国2位)を誇る。青色LEDや高速通信デバイスなど、企業連携発の世界的技術を数多く輩出している。近年は震災復興技術や防災・エネルギー分野の官公庁大型プロジェクトも受託し、年間約230億円規模の外部資金を確保している。

 5位の名古屋大学は、中部圏の自動車・航空宇宙産業と緊密に連携し、約150億円を調達している。トヨタグループとのAI・自動運転研究や三菱重工との宇宙関連プロジェクトなど、地域産業の中核企業と包括的な共同研究所を運営している。量子技術や医工連携でも国の大型委託事業を取り込み、収入を伸ばしている。

 6位の九州大学は、水素エネルギー・半導体・アジア連携を強化している。7位の東京科学大学は、少数精鋭で研究者1人当たりの共同研究費が国内トップである。8位の北海道大学は、農水生命・寒冷地技術で地域産業と協働している。9位の慶應義塾大学は、医学部と理工系を軸に私大トップの外部資金を獲得している。10位の筑波大学は、JAXA・AISTと隣接し、異分野融合型連携を推進している。

◆国内大学の産学共同研究・受託研究収入額ランキング
1位:東京大学 約550億円程度
2位:大阪大学 約300億円程度
3位:京都大学 約270億円程度
4位:東北大学 約230億円程度
5位:名古屋大学 約150億円程度
6位:九州大学 100億円台後半
7位:東京科学大学 100億円台前半
8位:北海道大学 約80億円前後
9位:慶應義塾大学 約40億円前後
10位:筑波大学 約30億円台
《風巻塔子》

特集

page top