大学通信は2025年1月30日、「2024年学部系統別実就職率ランキング(教育系)」を公開した。3位は福井大・教育学部、4位は大阪総合保育大・児童保育学部、5位は常葉大・保育学部がランクイン。1位・2位は大学通信のWebサイトより確認できる。 ランキングは、医科・歯科の単科大などを除く全国757大学を対象に2024年春の就職状況を調査。560大学から得た回答(2024年12月2日現在)をもとに、系統別に学部実就職率上位校をまとめた。実就職率(%)は、「就職者数÷(卒業生数-大学院進学者数)×100」で算出。文部科学省が推奨する「就職率=就職希望者数に占める就職者の割合」と区別するため「実就職率」という表記を用いる。なお、算出方法が異なるため、各大学が公表している就職率と異なる場合がある。 ランキングには、卒業生数が80人未満の小規模学部、通信教育学部、2部・夜間主コースのみのデータは未掲載。各系統はおもに学部名称で分類しており、学科構成や教育の内容が似ていても掲載していない場合もある。大阪公立大は統合前の大阪市立大と大阪府立大の実績を掲載している。 教育系の実就職率ランキングは、3位に実就職率98.9%の福井大・教育学部がランクイン。4位は98.8%の大阪総合保育大・児童保育学部、5位は98.8%の常葉大・保育学部、6位は98.5%の岐阜聖徳学園大・教育学部、7位は98.3%の聖徳大・児童学部(現・教育学部)、8位は98.2%の鎌倉女子大・教育学部、9位は97.9%の鳴門教育大・学校教育学部、10位は97.8%の京都橘大・発達教育学部と続いた。 6位の岐阜聖徳学園大・教育学部は、「学校教育課程」に10専修を設置。2025年4月には保育専修を「保育初等教育専修」に名称変更し、入学定員を30人から50人に増員。さらに、2026年4月には、学校教育課程全体の入学定員を330人から370人に増員する予定(構想中)。教育委員会や学校と連携して行われる「クリスタルプラン」は特徴的なプログラムで、教職に関わる科目を実践的かつ系統的に学ぶ「教職体験科目群」と、地域の子供とのふれあいを通してコミュニケーション力を伸ばす「子ども理解活動」で構成されている。4年間にわたる数多くの実習を通して、卒業後から即戦力を備えた教員として活躍できるよう、指導力や企画力、運営力を鍛えることができる。 7位には、「保育の聖徳」として90年の歴史をもつ聖徳大・児童学部(現・教育学部)がランクイン。2022年4月に児童学部を改組・名称変更し、「児童」と「教育」の2学科を設置する教育学部として新たにスタートした。児童学科は、「幼稚園教員」「保育士」「児童心理」「児童文化」の4コースに加えて、2025年4月より関東の女子大で初となる「医療保育」コースを設置。病児保育や病後児保育、病棟保育のほか、通常の保育で行う医療的ケア児に対応できる保育者を育成する。また、教育学科は、「小学校教員養成」「特別支援教育」「スポーツ教育」の3コースで教育改革をリードする実践力を備えた教育の専門家を養成している。 8位の鎌倉女子大・教育学部は、小学校から高校までの教員免許状、学芸員、学校図書館司書教諭など、複数の免許・資格の取得を目指すことができる。「教職等インターンシップ」では、神奈川県内の小・中学校や博物館などで就業体験を行い、生きた知識とスキルを身に付ける。また、1年次から段階的に受講できる教員採用試験対策講座や、3年次の教員採用試験対策合宿など、採用試験に向けたサポート体制が整っているほか、教育に関する専門知識を生かして、教育関連企業などで活躍するためのスキルを磨く「企業学習プログラム」も用意。子供の気持ちを理解できる人間性と指導力を備えた教員や教育学的知見をもった企業人の養成に力を入れている。 トップ10は私立大8校、公立大2校という顔ぶれに。卒業生数が200人以下の小規模校が10校中8校と多い印象だが、小規模校の良さを十分に発揮し、手厚い支援とカリキュラムで確かな実績を出していることがうかがえる結果となった。なお、東京都の最上位校は、28位にランクインした東京家政大・子ども支援学部(実就職率96.5%)。地方の大学が強さを見せた。 大学通信のWebサイトでは1位と2位の大学・学部を紹介。学部の特徴や就職に繋がる取組みのほか、ランキング50位の大学まで順位付けしている。2024年実就職率ランキング「教育系」1位は?「2024年学部系統別実就職率ランキング」一覧法学系文・人文・外国語系経済系商・経営系国際系家政・生活・栄養系看護・保健・医療系福祉系農学系薬学系理工系体育・スポーツ系観光系心理系教育系