順天堂大学は2024年12月20日、千葉県市原市に構想していた「農と食」をテーマにした新学部の開設を断念することを明らかにした。同大の新井一理事長補佐は市原市役所を訪問し「学生確保の見通しや学部運営の事業性について非常に厳しい結果となった」ことを報告した。 順天堂大学は「食と農」の分野を取り巻く社会的課題解決に貢献する人材養成に向けて新学部開設を計画し、2023年度の文部科学省「大学・高専機能強化支援事業」に選定。これまで候補地である千葉県市原市との協議調整が進められていた。 一方、同大では開設構想実現に向けて、学生確保の見通しや校舎建設プランの検証など実現の可能性を調査。今回、建設費の高騰などから構想実現は厳しいと判断し、断念することを明らかにした。新井理事長補佐は12月20日、市原市役所を訪れ「新学部開設に向け、高校生への入学意向調査や校舎建設プランの検証等、実現可能性調査を行いましたが、学生確保の見通しや学部運営の事業性について非常に厳しい結果となったことから、新学部開設構想は断念せざるを得ない」と報告した。 市原市の小出譲治市長は「まちづくりの一翼を担うものとして非常に期待をしていたところですが、大変残念な報告となりました」とコメント。今後は市民や関係団体等と議論を重ねながら、八幡宿駅周辺における拠点まちづくりビジョンの実践に引き続き取り組むとしている。