TOPPANが開発した絵本読み聞かせサービス「Yondee!」は、新たに画像認識AIシステムを実装し、提供を開始する。専用のウェアラブルデバイスを用いて絵本を認識し、ページにあわせた音声コンテンツを提供するこのサービスは、クラウドファンディング「CAMPFIRE」で購入可能。販売期間は2024年11月27日から2025年1月22日まで。価格にはウェアラブルデバイスとアクセサリー類、対応絵本24冊が含まれる。 「Yondee!」の開発背景には、デジタルメディアの急速な拡大と、アナログメディアの良さを生かした新たな体験価値の提供がある。紙メディアの拡張にはコストや既刊本対応の課題があったが、TOPPANはこれを解決するために、紙面とデジタルを連携させるシステムを開発した。読書バリアフリー法の制定により、障害の有無に関わらず、開かれた読書環境が求められている中で、このシステムは新たな読書体験を提供する。 「Yondee!」に活用されている画像認識AIシステムは、紙面メディアに特化したAIモデル生成技術をもち、あらゆる読み取り角度でスムーズな画像認識が可能。2次元バーコードやARリーダーを必要とせず、画像のみでコンテンツを提供できるため、既刊本の拡張にも対応する。また、スマートフォンアプリ内で動作するAI画像認識エンジンとカメラモジュールの組みあわせにより、幅広い用途に応用可能なシステムとなっている。 TOPPANは、クラウドファンディングを通じて「Yondee!」のさらなる検証やニーズ把握を行い、2025年秋ころからの一般販売を目指す。今後は、さまざまなコンテンツホルダーと連携し、AI画像認識システムを活用した新たなサービスの開発を推進する予定だ。