河合塾は、教育関係者向け情報サイト「Kei-Net Plus」で、2026年度大学入試の結果と2027年度入試の展望をまとめたレポートを公開した。2026年度は共通テストの難化を受け、国公立大学で志願者が減少した一方、私立大学では志願者が大幅に増加したことなどを分析している。 2026年度の18歳人口は約110万3,000人で前年並みであったが、新課程2年目となった共通テストの平均点ダウンが受験生の出願行動に影響を与えた。志願系統では法学部や経済学部といった社会科学系が人気を集め、薬学部や看護学部などの医療系は人気が伸び悩んだ。 国公立大学の一般選抜では、前期日程の志願者数は前年比100%と横ばい。しかし、共通テストで得点が伸び悩んだ層が、倍率の高い中期・後期日程の出願を控える傾向が見られたという。その結果、中期・後期日程では志願者が減少した。 一方、私立大学の一般選抜では、延べ志願者数が前年比110%と大幅に増加した。これは、併願校数を増やしてリスクを分散しようとする動きが強まったことによるものと分析。大学側は年内入試の拡大や収容定員の厳格な管理により合格者を絞り込んだため、倍率が上昇し、厳しい競争となった。 近年、人気が落ち着いている医学部医学科は、2026年度も志願者が集まりにくい状況が続いた。国公立大学前期日程の倍率は、2017年度の4.8倍から2026年度は4.0倍まで低下しており、10年間の推移を見ても右肩下がりの傾向となっている。医学科人気の落ち着きに加え、共通テストの難化によって受験生が慎重になったことが影響しているとみられる。私立大学医学科でも志願者増は前年比104%にとどまり、私立大学全体の110%と比較すると、控えめな増加幅であった。 文部科学省は2040年までに大学定員のおよそ半分を理工農・デジタル・保健系とする目標を掲げており、今後もこの「理工系シフト」はさらに進む見通しだ。2027年度入試は、情報系やサステナブル、半導体関連など、社会のトレンドを反映した新学部・学環の設置が相次ぐ。 また、東京大学の「UTokyo College of Design」や東北大学の「ゲートウェイカレッジ」など、既存の枠組みにとらわれない新しい学部や教育プログラムも登場する。入試制度の変更点としては、公募制の総合型選抜・学校推薦型選抜において、2027年度から「面接の実施」が必須化される。 地区別・学部系統別・大学グループ別の状況など、詳細は、教育関係者向け情報サイト「Kei-Net Plus」で無料公開している。