
「最近、落ち込むことが多い」「忙しさが理由なのか、どうにも気分が晴れない」……。仕事でも家庭でも頼られる場面が多い40代ごろから、このような悩みを抱える人が増えるといわれています。
「ちょっとした落ち込みなんて我慢すれば平気」「耐えていれば、きっと元気になる」。忙しさからこのように思う人も少なくはありませんが、これは非常に危険です。40代以降の女性が見落としがちな抑うつの兆候を、解決策も含めて木村眞樹子医師が解説します。
気分が落ち込むことが多い……。変化に気付いていますか?

★イラスト/lely★
47歳のアカネさんは、最近落ち込む日が多く精神的に参っているようです。家事や仕事が忙しいだけではなく、子どもの反抗期に振り回される日々。寝不足で職場に行けば、自分でも信じられないくらいの凡ミスをして、上司に叱責されて自己嫌悪……。若い頃もミスはあったけれど、当時のように「明日頑張ればいい!」と前向きな気持ちを持てなくなっているんだとか。同僚や夫から「最近、大丈夫?」と心配されることも増えました。周りに心配をかけていることで、また自己嫌悪に陥ります。
ある日、いつものように落ち込んでいると友達からこんなことを言われました。「それ、更年期のホルモンバランスが原因じゃない? 私も落ち込みが多くて病院に行ったけど、同じような症状の人は多いみたいだよ。私たちくらいの世代だとよくあるみたい」今まで「自分の家族やミスが原因で落ち込むなんて、ダメなこと」と思いこんでいたアカネさんにとっては目から鱗でした。早速、アカネさんは「抑うつ状態」について調べ始めます。
40代以降の女性が抑うつ状態になる主な原因

Photo:O-DAN
今回のアカネさんのケースのように、40代の女性が抑うつ状態になるケースは少なくありません。主な原因を3つ紹介します。
女性ホルモンの変動
一般的に、45~55歳は更年期といわれ、女性ホルモンの分泌量が減少します。その結果、自律神経のバランスが崩れて、些細なことでイライラしたり涙が出たりといった症状に悩まされる人は少なくありません。また、更年期の開始時期には個人差があります。45歳以前であっても女性ホルモンの分泌量が減り、落ち込みやすくなることがあるので注意しましょう。
家庭・仕事・介護などによる疲労の蓄積
40~50代は、家庭での子どもの反抗期や子どもの進路問題に悩むことが増える世代です。さらに、仕事では責任のあるポジションについていることも多く、簡単に「つらい」「助けてほしい」と口に出せないこともあるでしょう。また、自分の親や祖父母世代の介護の問題に振り回されたり、金銭的な悩みが出てきたりする世代でもあります。こうした精神的なストレスによって自律神経のバランスが崩れ、落ち込みやすくなるケースも少なくはないのです。
更年期以外の病気の原因
「落ち込みやすくなった」「やる気が出ない」などの抑うつ状態の原因は、更年期やストレスだけとは限りません。甲状腺機能の低下や、慢性的な中途覚醒による睡眠不足、貧血、慢性的な肩こりや腰痛、そしてもちろん、抑うつ状態の背景に「うつ病」がある場合もあります。食欲が極端に落ちる、理由もないのに涙が出る状態が2週間以上続くなどの症状がある場合は、我慢せずに精神科や心療内科の受診も検討してくださいね。
本記事では、40代以降から抑うつ状態になる人がいる要因についてお届けいたしました。
▶▶気分が晴れない40代以降の女性へ。医師がすすめる、心を「整える」3つの方法
では、抑うつ状態を感じたときのセルフケア方法について、医師の観点からのアドバイスをお届けします。




