東大名誉教授が教える「理想体重に近づける簡単な方法」とは?コレステロールや中性脂肪の数値が高い人は、食べていい肉・悪い肉があるの? | NewsCafe

東大名誉教授が教える「理想体重に近づける簡単な方法」とは?コレステロールや中性脂肪の数値が高い人は、食べていい肉・悪い肉があるの?

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東大名誉教授が教える「理想体重に近づける簡単な方法」とは?コレステロールや中性脂肪の数値が高い人は、食べていい肉・悪い肉があるの?

健康のためには食事が大切だと分かっていても、「無理な制限をして続かなかった」「カロリー計算が面倒で挫折した」という経験をした人も多いのではないでしょうか。

「実際、食事のなにをどう気を付ければいいの?」という悩みに、科学の視点から答えているのが、生命科学やアンチエイジング研究で長年実績を積んできた東大名誉教授・北村俊雄氏です。

本記事では北村氏の著書から、無理なく続けられる食事の工夫や、健康長寿につながるカロリー管理のヒントをご紹介します。

※本記事は書籍『東大名誉教授が教える 死なない生き方 科学でひもとくアンチエイジングと健康寿命』(北村俊雄:著/日経BP 日本経済新聞出版)から一部抜粋・編集したものです

無理なく楽しい食事をしよう

元気で健康に長生きするためには、好きなものを食べて幸せを感じることが大切です。科学的なコメントではないと思うかもしれませんが、じつはストレスや幸福感は、身体の状態を大きく左右します。

食べて幸せを感じるといっても、飲食が過ぎたり、偏食だったりするのは問題です。本記事では、無理なく、楽しく適切な食事をとるコツを紹介します。

健康のために食事で気をつけるべきこと

健康を保つために、バランスの良い食事をとることは極めて重要です。暴飲暴食をせず、規則正しくバランスの良い食事をとっていれば、サプリメントはほとんど必要ありませんし、生活習慣病の発症リスクも抑制されます。

それでは、食事で気をつけるべきこととは何でしょうか。当たり前のことのようですが、カロリー過多にならないこと、野菜・肉・魚などをバランスよくとること、塩分や脂分を抑えることです。

日本食は健康と長寿につながりそうだということで、欧米では日本食ブームが長く続いています。比較すべき要素が多すぎるため、どこが良いのかを簡単に説明できるものではありませんが、欧米の食事と大きく違う点は、刺身や寿司など生の魚をとることや、焼き魚が多いことでしょう。

また、懐石料理がそうであるように、少しずつ多くの種類を食べることも特徴の一つです。ほかには、日本茶の効用もありそうです。次に、たくさん食べない方がよいものと総カロリーについて、気をつけるべきことを述べます。

▶健康のために控えたほうがいい食品は?

健康のために控えるべき食品類

健康に良い食品、悪い食品についてはいろいろと言われています。しかし、健康に良くても、それだけを食べつづけるのは、良くないことは明白です。

バランスよく食べることが大事ですが、そのバランスの中で控えるべき食品を紹介します。ここで紹介するのは、主に動脈硬化に対するもので、本人あるいは血縁者に血圧が高い人、LDLコレステロールや中性脂肪が高い人、心筋梗塞・脳梗塞の既往症がある人は、特に気をつけてほしいところです。

牛や豚の赤身肉はリンを多く含んでいるため、食べすぎると心血管系に有害だという報告がありますが、専門家によると、赤身肉に含まれているリンは有機リンであり、腸管から半分くらいしか吸収されないため、大きな問題にはならないとされています。

豆類やカボチャなどに含まれている植物性のリンは、さらに吸収率が低く(30%程度)、健康に良いとされています。

一方、ベーコンやソーセージなどの加工肉や、プロセスチーズや炭酸飲料に含まれているのは「無機リン」であり、100%腸管から吸収されるので、腎臓が悪い人には問題になります。透析している人の死亡率を上昇させるという報告もあります。さらに加工肉には、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれていることもあり、控えるべき食品です。

同じ理由で揚げ物もよくありません。特に、何度も同じ油を使って揚げたフライドポテトやフライドチキンには、有害な脂肪酸が多いので注意が必要です。ハンバーガーなどのファストフードは、含まれる脂肪や塩分が多く、カロリーも高いため、心血管病や糖尿病のリスクを高めます。

清涼飲料水は水分補給には良いですが、塩分や砂糖が含まれており、飲みすぎると肥満や高血圧、糖尿病のリスクが高まります。

私は水分補給のために、ある清涼飲料水をずっと飲みつづけていました。100ミリリットルあたり15キロカロリーなので、健康上は大丈夫だろうと思っていましたが、ヘモグロビンA1c(1か月の血糖値の平均と相関する値)が正常上限となったため、その清涼飲料水はゴルフをする時だけにして、普段は水かお茶にするようになりました。

一日中、カロリーを持続して摂取すると、インシュリンをずっと出しつづけることになり、糖尿病につながります。インシュリンは、血糖値が上昇すると膵臓のβ細胞から放出されますが、カロリーが持続的に入りつづけることで、β細胞が疲弊することになります。β細胞が疲弊してインシュリンを放出できなくなると、糖尿病の発症につながるのです。

アルコールも、もちろん健康のためには飲みすぎるとよくありません。実は最近ではアルコールに関しては飲まないのが一番良いという説が主流です。ただ、適度であればアルコールを飲んでストレスを解消する方がいいかも知れません。また「寝る前の飲酒」は、入眠効果はあっても眠りが浅くなるので、寝酒の常用は良くありません。

ポテトチップス、スナック菓子、クッキーやパイなども、カロリーが高く、飽和脂肪酸も多い食品です。朝食のシリアルも毎日のことなので、砂糖が入っているシリアルを食べ続けることは避ける方が無難でしょう。一見、健康食品のように思えるグラノーラも、砂糖・甘味料や添加物がたくさん使われているものが多いため、食べすぎには注意が必要です。

身体に悪いものばかり並べていくと、食べるものがなくなってしまいますが、これらの食品類も「食べてはいけない」のではなく、「食べすぎないこと」が重要です。

ここで、食べると身体にいいものも挙げておきます。魚、鶏肉、豆類、青野菜、ナッツ類、アボカド、トマト、ベリー類は、身体の健康に良いとされています。

1日に摂取する適切な総カロリーは?

カロリーについては、その人に適した摂取量を計算する式がありますが、意外に複雑です。ここでは身長170センチの人について解説し、後半では理想体重に近づける簡単な方法も紹介します。

理想体重=(身長[cm]-100)×0.9

理想体重は、170から100を引いた70の1割減で63キロです。このとき、BMIは約22となります。1日に摂取する適当なカロリーは、デスクワーク中心の軽作業の人では、理想体重に25を掛けた値とされています。

立ち仕事が入る場合は、理想体重に30を掛けた値が適切なカロリーとなります。力仕事が多い人は、理想体重に35を掛けた値が推奨されます。一般的な働き方の場合、身長170センチの人では、63×30で約1900キロカロリーが適当なカロリーとなります。

計算法にはいろいろあり、年齢によっても基礎代謝が異なりますし、軽作業や力仕事といっても千差万別です。あくまで目安にすぎません。

毎日食べる食事や間食のカロリーを計算するのは手間がかかるうえに、カロリー数が分からない物も多いです。正確に計算したい場合は、糖尿病患者向けに作られている冊子を参考にするとよいでしょう。糖尿病の人は、厳密なカロリー計算を推奨されているからです。

ここでは、80キロカロリーを1単位と計算する方法が採用されており、たとえば、ご飯軽め1膳が2単位、パン一斤の6枚切りの1枚は3単位などとされています。慣れると、自然にカロリー計算ができるようになるということです。

私が勧めるのは、毎日朝夕に体重計に乗ることです。世の中にはいろいろなダイエット法がありますが、じつは一番効果的なダイエット法は、毎日体重計に乗ることだと言われています。

毎日カロリーを計算するよりも、自分の身長に合わせて標準体重を決め、その範囲に入るように食事を節制する方が、簡単でストレスなく行えます。

死亡率が一番低いBMIは、年齢によって上昇してはいますが、女性で21〜27、男性で23〜27です。この値をもとに、死亡率が低い理想体重を計算すると、身長160センチの女性は54〜69キロ、身長170センチの男性は66〜78キロとなり、かなり許容度があります。

若干ゆるい基準という印象ではありますが、体重がオーバーしている人は、この範囲に収まることを目標にして、ゆっくりと減量していけばよいでしょう。加えて、糖質・炭水化物や蛋白質は1グラム4キロカロリー、脂質は1グラム9キロカロリーであることは、覚えておくとよいでしょう。

ここまでの記事では、主に「食事と健康」についてご紹介しました。続く関連記事では、「体重と寿命の関係」について解説します。
つづき>>年を重ねたら「少し太め」のほうがいい⁉「死亡率が低いBMI」を年代別にチェック!【東大名誉教授が解説】

著者略歴:北村 俊雄(きたむら・としお)
1956年大阪府で生まれ、兵庫県で育つ。東京大学医学部卒業後、内科研修を経て医学部第3内科に入局。国立がんセンター研究所ウイルス部に出向して白血病ウイルスの実験に従事。その後、第3内科に戻り血液内科の臨床と研究を行う。32歳で米カリフォルニア州DNAX分子生物学研究所に博士研究員として留学。37歳で自らの研究室を持つ。40歳で帰国し、東京大学医科学研究所で日本初の寄付講座を担当。1991年、同研究所先端医療研究センター教授。同センター長を経て、2022年から神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター長。東京大学名誉教授。自ら開発した新たな研究方法や高効率レトロウイルスベクターは国内外の8000以上の研究室で使用され、多くの重要な研究成果につながった。趣味は音楽と読書と車とゴルフ。


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