呉工業高等専門学校と広島商船高等専門学校は、広島県内の2つの高専として学力検査による連携入試制度を2027年度(令和9年度)入学者選抜より導入する。1回の学力検査で両校への出願を可能とし、志望学科数を拡大することで受験生の進路選択の幅を広げる。広島県内の2高専が連携し、より柔軟な選抜体制を整える。 同制度は、呉高専の4学科(機械工学科・電気情報工学科・環境都市工学科・建築学科)および広島商船高専の総合科学科(電子情報システム系・流通情報マネジメント系)を志望する受験生が対象。出願時の志望順位に基づき、第1志望校で不合格となった場合に第2志望校で判定を行う。学力検査は5教科の共通問題を用い、各校独自の評価方法で合否を判定する。広島県内の2高専が連携することで、受験生にとってよりわかりやすい進路選択が可能となる。 呉高専では、工学系4学科において第1志望から第4志望までを選択できるようになり、入学後は5年一貫の教育課程で各学科のカリキュラムを学修する。全学生が学習する数理・データサイエンス・AI教育プログラムは、選択科目の履修により「応用基礎レベル」まで到達可能だ。2027年度からは最大4学科まで選択の幅が広がるほか、同制度の導入により第5志望として広島商船高専の総合科学科も選択できるようになる。 広島商船高専の総合科学科は、ものづくりに加えて流通や経営などの社会システムづくりを担う技術者を育成する。1年生で情報系の基礎を学び、2年次からは電子情報システム系または流通情報マネジメント系を選択できる。なお、同学科で実施していた弓削商船高専との併願制度は2026年度で廃止し、2027年度からは広島県内2高専連携入試制度へ移行する。商船学科については、従来通り弓削商船高専および大島商船高専との併願制度を継続する。 呉高専は、軍港の歴史を持つ呉市に位置し、柔軟性と創造性を備えた技術者の育成を目指している。実験・実習を重視した教育により、工学の専門知識を身に付けた人材を輩出する。一方、大崎上島にある広島商船高専は、豊かな自然環境の中で手厚い学生支援や進路指導を行い、職業教育と人間教育の両面を重視。理論と実技をバランスよく提供し、社会で強く生きる力を育んでいる。両校は今後も入試制度の工夫を通じ、高専教育の魅力と利便性の向上に努めていく。