4月10日からアメリカ・カリフォルニア州で開催の世界最大級の音楽フェス『Coachella Valley Music & Arts Festival(コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル)2026』に初出演するCreepy Nuts(クリーピーナッツ)。同フェスへの出演を皮切りに、ニューヨーク、シカゴ、メキシコを巡る北米ツアーも開催予定だ。本記事では、いま活躍の場を日本から海外へ着実に拡大しているCreepy Nutsにフォーカス。彼らの活動が近年どのように広がりを見せたのかを振り返りながら、その音楽が評価される理由を分析してみたい。
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【タイアップソングで発揮される優れた音楽性】
Creepy Nutsは、日本最高峰のMCバトルの全国大会で三連覇を成し遂げたラッパー・R-指定と、世界最大規模のDJ大会で優勝した経験を持つDJ松永によるHIP HOPユニット。2017年にメジャーデビューを果たすと、両者の卓越したスキルをを活かし、「よふかしのうた」「かつて天才だった俺たちへ」「のびしろ」など、多くの独創的な楽曲を世に放ってきた。
Creepy Nutsの楽曲はさまざまな観点から魅力を語れると思うが、中でもタイアップソングのクオリティの高さは彼らの知名度をより高い次元へ押し上げた、強力な武器だと言えるだろう。ピン芸人たちが日本一を目指してしのぎを削る「R-1グランプリ」のテーマソングとして書き下ろされ、世間に才能が見つかる瞬間、そして自分の本当の姿が暴かれながらも立ち向かう強さを鮮烈に歌った「バレる!」。「第94回選抜高校野球大会」の毎日放送(MBS)公式テーマソングとして書き下ろした、「ヤツの願いを お前の願いで 押しのけてやっと開く狭いway」「春の風吹き荒れる土壇場」といった印象的なフレーズが繰り出される「パッと咲いて散って春に」。対象の本質を鋭く表現しながら、Creepy Nutsならではのメッセージ性も感じられるタイアップソングは、リスナーから高い評価を受けてきた。
【「Bling-Bang-Bang-Born」のグローバルヒット】
そんなCreepy Nutsの音楽がさらに広がりを見せるようになったきっかけが、TVアニメ「マッシュル-MASHLE-神覚者候補選抜試験編」オープニングテーマに起用された「Bling-Bang-Bang-Born」だ。魔法が使えないながらも、鍛え抜かれた筋肉で魔法使いたちと渡り合っていく主人公のマッシュ・バーンデッドと、HIP HOPにおける自身らを重ね合わせたという同曲は、アニメとの親和性の高さに加え、両者のコラボレーションMVでキャラクターが踊っている“BBBBダンス”が大バズり。真似しやすいキャッチーな振り付けであることから、TikTokをはじめとするSNSで“踊ってみた動画”が多数投稿され、爆発的に拡散されていった。
若年層も取り込んだ「Bling-Bang-Bang-Born」旋風は、国内にとどまらず海外にも広がった。ビルボードジャパンによる、世界でヒットしている日本の楽曲をランキング化した“Global Japan Songs Excl. Japan”では、同チャート史上最多となる通算24回の首位を達成し、2024年度年間首位を獲得。近年、海外で日本の音楽がヒットする事例として、「アニメとのタイアップ」「SNSバズ/バイラルヒット」というキーワードが挙げられるが、同曲はその両方を押さえた、言わばモデルケースとも呼ぶべき成功を収めたのである。
【「オトノケ」のヒットから見えてきたもの】
Creepy Nutsの快進撃は「Bling-Bang-Bang-Born」以降も続いた。TVアニメ『ダンダダン』のオープニングテーマとして書き下ろされた、中毒性の高いアッパーチューン「オトノケ」もグローバルヒットとなり、前述の“Global Japan Songs Excl. Japan”で2025年度の年間首位を獲得。R-指定の変幻自在なラップとボーカル、DJ松永のメロディックで情緒的なトラックは海外リスナーの心も掴んだのだ。「Bling-Bang-Bang-Born」とはまた別の音楽的な文脈で「オトノケ」が評価されたことで、Creepy Nutsの楽曲そのものがグローバルに適応しているという可能性が見えてきた。
「Bling-Bang-Bang-Born」「オトノケ」のグローバルヒットを経て、Creepy Nutsは2025年に初のアジアツアーを開催。ソウル、台北、香港、上海、北京の5都市で全7公演を成功させ、アジアに広がる人気を証明した。また、アジア以外に目を向けてみると、アメリカ国内でのセールスに応じて楽曲にゴールド&プラチナ認定を行う機関であるアメリカレコード協会(RIAA)は、「Bling-Bang-Bang-Born」「オトノケ」の2曲にゴールド認定を与えている。日本語詞で計2曲のゴールド認定を達成するのは、日本のアーティストとして初の快挙だという。Creepy Nutsの北米ツアー開催は、彼らの音楽が海を越えて世界へ広がっている背景を見れば、自然な流れだと言えるだろう。
【コーチェラでのステージに期待】
Creepy Nutsは、『Coachella Valley Music & Arts Festival 2026』初日のGobi Stageにトリで出演予定。出演時間は現地時間4月10日(金)23時5分(日本時間4月11日(土)15時5分)からで、フェスの模様はYouTubeにてライブ配信され、日本からも視聴が可能となっている。

SNSでも、そのパフォーマンスに期待する声があがっているCreepy Nuts。世界最大級の音楽フェスという大舞台で、彼らの音楽がどのようにアメリカの地に響くのか、注目だ。




