「この作品を捧げたい」満席回にハ・ミョンミ監督が涙…『済州島四・三事件 ハラン』大ヒットスタート | NewsCafe

「この作品を捧げたい」満席回にハ・ミョンミ監督が涙…『済州島四・三事件 ハラン』大ヒットスタート

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『済州島四・三事件 ハラン』 ©Whenever Studio
  • 『済州島四・三事件 ハラン』 ©Whenever Studio
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韓国現代史において光州事件と共に隠蔽されてきた「済州島四・三事件」を題材に、母と娘の逃避行を描いた韓国映画『済州島四・三事件 ハラン』。事件発生から78年を迎えた4月3日(金)、ポレポレ東中野ほか全国5館で公開を迎え、満席続出の大ヒットスタート。また、公開にあわせて韓国よりハ・ミョンミ監督が来日し、舞台挨拶を行った。

1948年4月3日、外国勢力による干渉に反発した済州島の一部島民が武装蜂起したことに端を発し、その後、政府は“討伐”と称して数多くの島民と虐殺を行い、1954年までに犠牲者は30,000人に及んだとされる。

事件発生から78年を迎えた4月3日(金)に公開されると、公開初日から3日間で動員率88%の大ヒットスタート。公開にあわせて、ハ・ミョンミ監督が来日し、ポレポレ東中野、シネマスコーレ、第七藝術劇場、アップリンク京都で計6回の舞台挨拶が行われ、全回満席となった。

さらに公開4日目となる4月6日(月)までに、ポレポレ東中野は全8回上映のうち7回満席、第七藝術劇場では4日連続で立ち見席含む全席完売と満席回が続出している。

客層は中高年層を中心に、男女比は5:5。日本でも、ノーベル賞文学賞を受賞した作家ハン・ガンのベストセラー小説「別れを告げない」やヤン・ヨンヒ監督のドキュメンタリー映画『スープとイデオロギー』を通して、事件について知られるようになった昨今。韓国映画ファンや題材に興味を持った観客を中心に、事件前後で日本に渡った島民も多く、済州島をルーツにもつ観客も多く足を運んでいた。

これまでタブー視されてきた題材に挑んだハ・ミョンミ監督は、映画化の苦労と犠牲者への哀悼の意を語り、済州島出身者やその子孫が多いとされる大阪での舞台挨拶では「大阪で絶対に上映したいと思っていました。苦しい生活を送られた(済州島出身の)皆さんにこの作品を捧げたいです」と伝え、感極まって涙する場面も。

さらに、公開初日のポレポレ東中野の様子は、韓国の公共放送局KBSの報道番組で紹介され、日本での熱気あふれる様子が韓国国内でも注目された。

また、朝鮮近現代史を専門とする研究者や在日本済州4・3犠牲者遺族会会長の呉光現、脚本家・映画監督の井上淳一のレビューなど、全9名の寄稿文が掲載されているパンフレットの購買率は35%に。ハ・ミョンミ監督によるサイン会には、監督に直接感想を伝えようとする観客で長蛇の列ができ、監督に涙ながらに感想を伝える観客の姿も見られた。

連日満席となっているポレポレ東中野の番組担当・石川翔平氏は「戦後の韓国の歴史を扱った作品は様々な作品を上映させていただいてきましたが、『ハラン』は情報解禁の時からこれまでにない反響を感じています。今の時勢もあると思うのですが、初日から戦争の非道さを忘れてはならないという熱心なお客様に多く来ていただいていて、夜の回まで満席が続いているのは正直驚いています」と予想以上の反響の大きさに驚きを語る。

第30回あいち国際女性映画祭でワールドプレミアを飾った本作の配給は、当映画祭のディレクター・木全純治氏が代表を務めるシネマスコーレ。名古屋で映画館を運営するシネマスコーレにとって、24年ぶりの配給作品となる。

木全氏は、配給を決めた理由について「『済州島四・三事件』は、韓国でも長らく隠された歴史です。『ハラン』は、事件そのものを熾烈に描くのではなく、母と娘の物語を中心に据えることで、戦争や国家暴力によって一般市民がいかに影響を受けるのかを丁寧に描いています。その視点が非常に優れていると思い、配給を決めました。罪のない弱き者が虐げられるのは、いつの時代にも共通することです」とコメント。

現在17館まで公開劇場が決定しており、今後も上映館が増える見込みだという。

公開前には、歌手の加藤登紀子、タレントの渡辺満里奈、翻訳家の斎藤真理子、映画監督のヤン・ヨンヒや三島有紀子など総勢10名から推薦コメントが到着。

4月3日発刊の新聞各紙では、「大局的な見地から事件や社会を語ることを避け、政治の脇に置かれた主人公母娘の直に見える範囲だけで、韓国誕生直後の混乱した時代の悲劇を描きだそうとしている」(朝日新聞)、「歴史の中で埋もれがちな女性や子どもを通して事件の残酷さを浮かび上がらせた」(東京新聞)と、歴史で見落とされがちな女性や子どもの視点を通して事件の悲惨さを伝える手腕を称賛する映画評が並んだ。

『済州島四・三事件 ハラン』はポレポレ東中野ほか全国にて順次公開中。
《シネマカフェ編集部》

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