教師・仁木順平(森田剛)は、夏に休暇を取り、昆虫採集のために海際の砂丘に赴いた。そこには、一風変わった村があった。家々がまるで蟻地獄の巣のように、砂丘に深く掘られた穴の中に建っており、どれもこれも今にも砂に埋もれてしまいそう。変わった村もあるものだと思いながら、男は村の老人に勧められ、そのうちの一軒に泊まることに決めた。家の中では、断続的に降り注ぐ砂に家が埋まってしまわないよう、家主の女(藤間爽子)がひとりせっせと砂掻きに精を出していた。
翌日、男が目を覚まし、地上に出ようとすると、外に出るためにかけられていた縄梯子が無い。不思議に思うが、それは村の人々の仕業だった。ひっきりなしに穴から砂を運び出さなければこの村は埋まってしまうため、村人たちは砂掻きの人手を求めており、男を騙して村に引き留めようとしていた。男は困惑するが、砂を掻かずに逆らうと水が配給されなくなってしまうため、女と砂を掻き出しながら奇妙な同居生活をせざるを得なくなる。思いつく限りのあらゆる方法を試みる男だが――。
本作は、1962年に発表され、翌年には「第14回読売文学賞」を受賞、20以上の言語に翻訳され、世界中で読み継がれる、安部公房の不朽の名作「砂の女」が、現代の舞台表現で再構築。東京、仙台、青森、大阪の4都市で上演される本作。深いワインレッドのベルベットに包まれた順平と家主の女の姿が、閉ざされた世界で生まれる緊張と濃密な空気を象徴するキービジュアルが完成。
合わせて、脚本・演出:山西竜矢と森田によるスペシャル対談コンテンツの公開も決定。創作の裏側や、舞台化に込めた思いやエピソードなど、1月中旬より公式サイトにて公開される。
なお、チケットは2月7日(土)に一般発売が順次行われるほか、東京公演は先行販売も決定している。
舞台「砂の女」東京公演は2026年3月19日(木)~4月5日(日)紀伊國屋ホール、仙台公演は2026年4月8日(水)電力ホール、青森公演は2026年4月11日(土)SG GROUPホールはちのへ(八戸市公会堂)、大阪公演は2026年4月18日(土)~4月20日(月)森ノ宮ピロティホールにて上演。









