埼玉県、不登校の子供向けメタバース学習支援を開始 | NewsCafe

埼玉県、不登校の子供向けメタバース学習支援を開始

子育て・教育 リセマム/デジタル生活/小学生
メタバース空間を活用した不登校児童生徒等支援事業
 埼玉県教育委員会は2025年11月26日、公立小中学校の不登校児童生徒を対象に、メタバース空間を活用した新たな居場所と学びの場を構築し、学習・相談支援を本格的に開始したと発表した。参加者は仮想空間に自由にアクセスし、オンライン学習や専門家への相談などができる。

 同事業は、既存の取組みでは支援が届きにくかった子供たちの学びを保障することを目的としている。たとえば、対面でのコミュニケーションに不安がある子供や、自宅から地元の教育支援センターまでの距離が遠く、通うことが難しい子供などを、おもな利用者として想定している。

 メタバースとはインターネット上に設けられた仮想空間のことで、同事業ではこの空間に子供たちが過ごすためのさまざまなフロアを設ける。参加する子供は、自身の体調や状況にあわせて、開設時間中に自由にアクセスし、ほかの参加者とコミュニケーションを取ったり、オンライン学習や個別学習に取り組んだりすることができる。運営は埼玉県と、参加表明のあった35市町が共同で行う。

 メタバース空間は、市町村が学習支援などを行う「市町村フロア」と、県が相談・体験学習を行う「県共通フロア」の2つで構成される。「市町村フロア」では、市町村が持ち回りで講義形式によるオンライン学習支援を実施するほか、個別学習による学習支援も行う。また、オンライン支援員などが常駐し、日常的なコミュニケーションを通して、子供たちのための居場所を創出する。

 一方、「県共通フロア」では、専門的な支援を提供する。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、子供や保護者からの相談に応じる体制を整える。さらに、市町村単独では実施が難しい体験学習を、県立博物館・美術館、民間企業、大学、他都道府県、県警などと連携してオンラインで開催する。

 事業の詳細は、埼玉県のWebサイトに掲載している。問合せは、教育局生徒指導課にて受け付けている。
《吹野准》

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