保護者300人に聞いた中学受験…「エクセルパパ」話題の裏で、8割の母親が担う伴走の全貌 | NewsCafe

保護者300人に聞いた中学受験…「エクセルパパ」話題の裏で、8割の母親が担う伴走の全貌

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父親の伴走
  • 父親の伴走
  • おもな伴走者は?
  • 塾の費用をだしたのは?
  • 親の伴走スタイルは?
  • 親の相談相手は?
 リセマムは2025年7月2日から8月4日にかけて、中学生以上のお子さまをもつ保護者を対象に中学受験に関するアンケートをインターネットで実施し、327名から有効回答を得た。回答者の居住地は首都圏(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)が76%、関西圏(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県)が12%、東海圏(愛知県・三重県)が3%と、首都圏在住者がその多くを占めた。

 首都圏模試センターの推定では、首都圏の2025年における私立・国立の中学受験者総数は5万2,300名(前年比99.8%)と過去40年で3番目の受験者数の多さとなり、受験率は18.10%と、過去2番目の高さとなっている*。

 少子化が進む中、過熱が続く中学受験。編集部では、今回のアンケートから見えてきたリアルを掘り下げていきたい。 *出典:首都圏模試センター「1998~2025年入試までの受験者数の推移(私立・国立中学校)【2025.2.17ほぼ確定版】」

中学受験の「伴走」は誰の仕事か
 「中学受験は親の受験」とまで言われることもあるが、実際のところ、家庭内でおもな伴走者は誰だったのだろうか。

 アンケート結果では、おもな伴走者を「母親」と回答した人が80%にのぼり、「父親」の13%、「伴走者なしで子供が自走」の5%を大きく上回る結果となった。

 近年、塾の保護者会に父親が積極的に参加するケースが増え、SNSでも熱心に情報発信する父親の姿が見受けられるようになった。わが子の勉強の進捗や成績をデータで管理する「エクセルパパ」なる言葉も生まれている。しかし実態としては、母親が仕事や家事に加え、精神的・物理的な受験サポートの大半を担っているという、依然として大きな負担の偏りが浮き彫りとなった。

 なお、塾の費用を誰が支払ったかという問いには、44%が「両親」と回答し、「父親のみ」の34%を上回っており、経済的な責任は夫婦で分担する傾向にある一方で、日常的な「伴走力」は母親に依存している現状がうかがえる。

具体的な「伴走」タスク:送迎、丸つけ、スケジュール管理の負担感
 では、保護者は具体的にどのようなサポートを担っているのだろうか。回答でもっとも多かったのが「スケジュールの作成・管理」で70%、僅差で「塾への送迎」が68%、「プリント・テキスト管理」が66%と続いた。

 特に注目すべきは、単なる事務作業だけでなく、学習の深い部分にも親が関与している点だ。「一緒に問題を解く・解説する」が45%で、「宿題の丸つけ」の40%を上回っていることからも、中学受験において親のサポートする範囲が非常に広い実情が見て取れる。「どこまで子供を管理すべきか」は、多くの親にとって悩ましいポイントとなっているようだ。

・どのような結果であっても、「受験してよかった」と子どもが言える状態を整えるのが親の役割だと考えながら並走していた。親はジェットコースターを一緒に楽しむくらいの気持ちでいたほうが、子供に気持ちを寄せやすい。



・子供の学習は親の思いとおりには絶対に進まない。子供を絶対に追い詰めることがないように、許容できる最低ラインで良いと思える余裕をもってほしい。



・子供の能力を勝手に決めつけてしまわずに、子供と一緒に目標に向かって楽しむ姿勢が大事。



・親も過去問を解くことで、わが子が12歳でこんな難問に立ち向かっているのかとリスペクトの念が湧き、伴走の一助になる。



・盲目になりすぎずフラットにわが子のようすをみて信じること、迷ったら塾の先生に客観的な意見を聞くことが大事だと思う。



・親の押しつけではなく、なぜ受験が必要なのかを家族で日々話し合うことが大事だと反省している。



・親主導で始めると、成績が伸びなかった時にストレスを感じる。中学受験は、子供が受験に積極的であれば良いと思うが、そうでなけれぱ無理に受験する必要はまったくないと思う。



・親が言わなくても勉強する子もいるが、大半は親のコントロールが必要。子供の特徴とレベル感を見極めながら、親も勉強しながら、親子ともメンタルをやられる前には息抜きをしつつ頑張ることが大事。


不安や心配を感じたときの相談相手は「塾の講師」が最多
 これまで見てきたとおり、中学受験はまだ子供が小学生であることからも、親の伴走は欠かせない。では、親自身が不安や心配を感じたとき、誰に相談すると良いのだろう。

 今回のアンケートの結果では、相談相手を「塾の講師」と答えた人が最多で67%。続いて「配偶者」が45%、「パパママ友」が45%という結果だった。

 「忙しいのに些細なことを相談して迷惑なのではないか」とためらう保護者も少なくないが、塾の講師は子供の授業でのようすをよく知り、中学受験に熟知したプロフェッショナルだ。わが子への向き合い方や学習サポートの仕方、課題の加減など、迷わず塾の講師に相談をしながら、不安や負担とうまく付き合っていくことが、伴走を成功させる鍵となりそうだ。


《編集部》

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