1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。
今年の「処暑」の暦は8月23日~9月6日。「処」とは、止まる・留まるという意味。8月後半になると、朝夕は暑さがおさまり過ごしやすくなります。涼しさを含む風が吹き始めて、夜に虫の音が聞こえ始めるころです。という暦なのですが、今年はずっと暑さが続きましたね……。
【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】
かぼちゃが旬であることにも意味がある!クコと合わせれば無敵に
2つ目も肺の機能を補うレシピとして「かぼちゃのクコ煮」を紹介します。かぼちゃの黄色が鮮やかだったので手に取ったのですが、作り始めたらかぼちゃの面取りが楽しく感じてしまい…ついついたくさん作ってしまいました(笑)。
作り方は、クコ(約10粒)は水でもどしておき、かぼちゃ(1/4個)は種・わたを取り除いて、皮をむいて一口大に切った後、面取りをします。鍋にごま油をひき、鶏ひき肉(100g)を炒めます。ここにクコ・かぼちゃ・水(500mL)・しょうゆ(大さじ1)・きび砂糖(大さじ2)を加えて、約15分煮ます。かぼちゃに竹串が通ることを確認したら片栗粉(大さじ1)を水に溶き、鍋に注いでとろみをつけます。器に盛りつけたら出来上がりです。
かぼちゃは「脾の機能にうれしい食材」として紹介しましたが、「身体に必要な気を補い、肺のコンディションを整える」働きかけも出来るので、「肺の機能にうれしい食材」でもあります。クコは「肺を潤してコンディションを整える」働きが期待できるので、かぼちゃとクコは秋の時季を迎える身体にはとてもうれしい組合せです。また、一緒に合せた鶏ひき肉は「身体に必要な気を補い、おなかを温める」働きが期待できます。初秋の突然の寒さがいずれやってきます。その予防策でおススメの食材として今回のレシピに使ってみました。
肺にとって少しアウェイの季節が始まります。特に意識してあげられると肺が喜ぶと思います。
連載中の「田野岡メソッド」が書籍になりました!
「身近にある旬の食べ物が、いちばんのご自愛です!」 田野岡メソッド連載で繰り返し語られるこのメッセージが、1冊の書籍にまとまりました。近所のスーパーで手に入る身近な食材を使い、更年期をはじめとする女性の不調を軽減する「薬膳」を日常化しませんか?
日本の漢方では「その症状に処方する漢方薬」が機械的に決められていますが、本来の中医学では症状と原因は人それぞれと捉えます。それに合わせた効果的な食事を「薬膳」とし、食で養生するのが基本なのです。
田野岡メソッドに触れると、スーパーの棚が「薬効の宝庫」に見えてきますよ!