放課後NPOアフタースクールは2025年6月26日、就労家庭の小学生の長期休みの過ごし方について独自調査した結果を発表した。小学校高学年の61.9%が自宅で留守番、友達と遊んでいない子供は40.8%にのぼることが明らかとなった。 同調査は、2025年1月17日~18日に小学生の子供をもつ就労家庭の男女1,200人を対象にインターネット調査で実施された。 調査によると、長期休みに自宅で留守番をして過ごしている子供の割合は全体で50.6%、高学年では61.9%を占めた。「サマースクール・キャンプ・旅行等」については全体の77.8%がなし、年収別に見ると300万円未満では92.3%がなしと回答。地域別に見ると都市部よりも都市部以外でなしの回答が多い結果となった。 友達と遊ぶ頻度については、「週1回未満」と回答した割合が、全体で58.6%。年収別に見ると、300万円未満で友達と遊んでいないと回答した割合は56.9%と、ほかと比べ多い結果となった。地域別に見ると、都市部より都市部以外で友達と遊ぶ頻度が少ない傾向にあることがうかがえた。 「祖父母や親戚の家で過ごす」割合は全体で48.2%。年収別に見ると、300万円未満で69.2%がなしと回答し、著しく多い結果になった。また、「習い事/友達と遊ぶ/祖父母や親戚の家に行く/サマースクール・キャンプ・旅行等」で、いずれの体験もない子供は全体で23.0%。低所得層は38.5%で、さらに長期休みの体験が少ない状況が浮き彫りとなった。 一方、子供たちに長期休みの過ごし方についてニーズを聞いたところ、「旅行・お出かけがしたい」「いろいろな体験がしたい」「友達ともっと遊びたい」という声が特に多かった。また、全体の43.5%が利用する学童保育には、「学童に行きたくない」「学童ばかりだとつまらない」など、不満の声が多くあがった。学童保育は、低学年で61.0%が利用しており、1日の大半を過ごすだけに改善が望まれる。 今回の調査からは、低所得層ほど体験の機会や友達と遊ぶ機会が少ないという結果以外に、所得に限らず多くの子供や保護者が長期休みの過ごし方に不満や困りごとを抱えているということだった。調査をきっかけに、放課後や長期休みの実態把握と課題の特定が進み、より本質的な解決策に繋がっていくことが期待される。