「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】 | NewsCafe

「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】

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中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
【モデルプレス=2025/06/12】NHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土あさ8時~ほか)に出演している俳優の中沢元紀(なかざわ・もとき/25)にモデルプレスらがインタビュー。控えめだった千尋(中沢)が全ての感情をぶつけた第54回。「テストのときはボロボロ泣いていた」――撮影の裏側に迫った。<Vol.4※第54回ネタバレあり>

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◆今田美桜ヒロイン連続テレビ小説「あんぱん」

今作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人が、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。ヒロイン・朝田のぶを今田美桜、のぶの夫・柳井嵩を北村匠海が務め、中沢は嵩の弟・千尋を演じる。第54回では、千尋がのぶへの恋心を含め、嵩に思いをぶつける場面が描かれた。

◆「あんぱん」中沢元紀、北村匠海とのシーンテストでは号泣

― 今回放送された、嵩と千尋が小倉で思いをぶつけるシーンを演じる際に意識していたことを教えてください。

中沢:千尋が嵩に初めて全てをぶつけるシーンで、自分が隠していたのぶさんに対する恋心も、「戦争がなかったら」という思いも、本当に全てぶつけているので「全部出し切ろう」、嵩として匠海さんも全て受け止めてくれるだろうという思いがありました。2人で綿密に話し合って作り上げたシーンというわけではなく、最小限の打ち合わせをして、その場で生まれるものを大事にして作りました。

― その最小限の中で北村さんとはどんなやり取りがありましたか?

中沢:動きや目線、カメラワーク関係のことなどは話し合いましたが、お芝居のことはあまり話していません。僕は感情的になったときに方言に変わるという難しさもあって、匠海さんとセリフ合わせをするかしないかという話もありましたが、リハーサルのみのセリフ合わせでした。その場で生まれるものが大事ですし、爆発力がとても重要なシーンでもあるので、あまり話さずに演じました。

OKになったシーンでは、僕は泣いていなくて、嵩だけが泣いていたと思います。テストのときはボロボロ泣いていたので、どっちが良かったのか、撮影が終わったあとも少し悩んでいて、匠海さんも「監督にもう1回お願いする?」と聞いてくださったのですが「でも監督がOKしたものがすべてだと思うので」という話をしました。結果、撮り直しはせず、兄弟として別れるのであれば千尋は全てをぶつけて涙が流れ、軍人として会うのであれば涙は流さずに「行ってきます」と言うのかなと。

― 中沢さんは後者の方だと解釈したということでしょうか?

中沢:そうですね。意識はしていなかったですが、本番でやってみたらそうなりました。

― なぜ千尋はのぶへの思いを嵩に伝えたのだと思いますか?

中沢:脚本にも理由は特に書いていなかったですが、多分千尋が望んでいるのは、兄貴とのぶさんが一緒になることだと思うので、それが全てだと思います。

― 「この戦争がなかったら」というフレーズを繰り返すシーンは、インパクトもありますし、視聴者の方にも響いたと思います。どんな思いで言われましたか?

中沢:最初脚本を読んだときに心に来るものがありました。小さい頃から我慢というか、あまり自分から大きく表現しなかった千尋が、最後の最後に兄貴に全てをぶつけるシーンなので、本当に全てを吐き出す、兄貴なら受け取ってくれるという思いでした。

― このシーンを経て嵩の考え方も変わっていきます。物語もそこから逆転する正義という「アンパンマン」に繋がっていく、大事な役割を担う大事な役ですが、プレッシャーはありましたか?

中沢:ただの兄弟、ただの弟を演じれば良いというわけではなくて、嵩にとって重要となる役であり、千尋がいたからこそ「アンパンマン」が生まれていると思うので、そこの重要性は考えながら演じていました。もちろん僕も考えていたのですが、脚本を読んで千尋を演じたら、自然と重要なキーパーソンになるので、自分でアドリブを入れるなどはしていません。

― そのシーンの撮影を終えたときは、どんなお気持ちでしたか?

中沢:やり切った感じはまったくなかったです。「涙は必要だったのか」「本当にこれで良かったのか」「これが本当に100%だったのか」という思いが今もあります。放送されて、みなさんの反応で良かったと思えるのか、ずっと不安ではあるのですが、最高のチームでやらせていただいて、全身全霊で挑んだシーンでもあるので、みなさんに届けば良いなという思いです。

◆「あんぱん」中沢元紀が考える嵩と千尋の関係性

― 千尋は優秀で文武両道な青年でしたが、ずっと嵩のことを尊敬していたのがとても伝わってきました。改めて、千尋にとって嵩はどのような存在だったと思いますか?

中沢:一言で言うのは難しいですが、千尋は母親とあまりうまくいっていなかったので、身近にいるたった一人の家族でした。千尋は空気を読んできた人なので、自分のやりたいことを突き通す嵩やのぶさんに惹かれていたし、そういった部分を応援したいと、ずっと見守っていたと思うので、兄貴の描く漫画や映画も、多分一番好きなのは千尋だったのだろうと思います。

どういう存在かというと、上下関係のある兄弟ではなかったのだろうなと。対等というか、友達と少し違いますが、お互いを鼓舞し合っていましたし、応援し合っていました。そこに嫉妬心はありながらも、親が近くにいなかったので、お互い一番最後に頼るのは千尋は兄貴だったし、嵩は千尋だったのではないかと思います。だからこそ兄貴とのぶさんを応援したいという気持ちが一番強かったのだと思います。

― 先ほどおっしゃっていたように千尋は、母・登美子(松嶋菜々子)とは複雑な関係。嵩は怒りが爆発するシーンもありましたが、千尋はあまり表に出していません。登美子へはどんな思いを持っていましたか?

中沢:お母さんに対しては、嵩のようには接することはできないという思いはありました。唯一の母親ではありますが、母親がしていた生き方は、千尋は多分理解はできても共感はできないだろうなと思うので、嵩との違いは意識しながら演じていました。唯一の母親なので、優しく接したいと思う部分もありながら、怒りもあって難しかったです。寂しさも含め、母親に対して本当にいろいろな感情があったと思います。

(modelpress編集部)

★Vol.1、2、3、5も配信中

◆中沢元紀(なかざわ・もとき)プロフィール

2000年2月20日生まれ。茨城県出身。2022年配信のWEB CMドラマ「メゾンハーゲンダッツ 〜8つのしあわせストーリー〜」で俳優デビュー。主な出演作は、フジテレビ系「ナンバMG5」(2022)、フジテレビ系「366日」(2024)、テレビ東京系「ひだまりが聴こえる」(2024)、映画「ファストブレイク」(2024)など。TBS系「下剋上球児」(2023)では、エース役を好演し、大きな反響を呼んだ。

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《モデルプレス》

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