【井上咲楽】出版社に伝えた「無謀すぎる」条件とは?「料理本」初挑戦で、目からウロコ! | NewsCafe

【井上咲楽】出版社に伝えた「無謀すぎる」条件とは?「料理本」初挑戦で、目からウロコ!

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【井上咲楽】出版社に伝えた「無謀すぎる」条件とは?「料理本」初挑戦で、目からウロコ!

個性的な太眉をカットして話題になった井上咲楽さん。眉カット以来仕事の幅が広がって、バラエティ以外のオファーも増えたそうです。

そして昨年は初めての料理本を出版することに。ところがそこは自称「自己評価は高いのに、自己肯定感は低い」悩み多き井上さん。すんなりとはいかず、へこんだり、前向きになったり、さまざまな葛藤があったとか。

今回は、初の料理本出版の裏話をご紹介したいと思います。

※この記事は『じんせい手帖』(井上咲楽・著徳間書店)より一部を抜粋・編集してお届けします。

写真:徳間書店提供/撮影:荻原大志

初めての料理本企画!「受け身じゃない仕事がしたい」からと、出版社に伝えたこと

「料理本を出しませんか」という話があったのは、不安と焦りでモヤモヤしていたタイミングだった。実は私が聞かされていなかっただけで、それまでも何回か料理本の依頼はあったらしい。その都度、マネージャーさんが「作ってもそんなに売れないだろう」と断っていたそうだ。

でも、この秋は私がどんより悩んでいるのもあってか、「料理本を出してみませんかって依頼が来ているけど、どうする?」と伝えてくれた。なんでも、マネージャーさんがお断りした後も、それを上回る熱意で再び依頼してくれた編集者さんがいたという。

私はその編集者さんと会って話してみて、すぐに「やりたいです」と答えていた。ただし、やる以上は全部の工程に自分が関わり、しっかりと作っていきたいとも思った。

もちろん、撮影、編集、お皿などの什器の選択、本のデザインなど、プロの手を借りなければできないことはたくさんある。でも、料理本の柱となるレシピや調理は自分でしっかりやっていく。受け身じゃない仕事の仕方をしてみたい。

肝心なところでプロの手を借りているのに、「全部、井上咲楽がやりました」みたいな顔で表紙に出るような本にはしたくなかった。だから、編集者さんには「全部、丁寧にやりたいです」「レシピも自分で作ります」と希望を伝えて、私の初めての書籍『井上咲楽のおまもりごはん』の企画が動き始めた。

「私が好きな色ってなんですか?」思わず出た記憶喪失みたいな質問が、大きな気づきに

料理本の企画が始まってすぐ、受け身じゃない仕事の仕方がどういうものかわかった。それは、自分で決めるということの連続だ。私にとってはそれがしんどくて、でもとても大事なリハビリになった。

例えば、撮影に向けた打ち合わせをしている時、「お皿をどうしますか?」という話になった。什器と盛り付けを担当してくれるスタイリストの久保田朋子さんはお皿のスタイリングを手がけるプロで、お料理を盛る器をセレクトして、器周りのテーブルコーディネートをしている。

打ち合わせには私が普段使っている私物の益子焼の器もいっぱい持っていった。久保田さんたちと1つ1つを確認しながら、盛り付ける予定の料理との組み合わせを考えていく。その過程で、久保田さんから「咲楽さん、好きな色って何ですか?」と聞かれた。

単純にテーブルをコーディネートする時の参考にしたいだけだったのだと思う。でも、私はめちゃくちゃに迷った。私の好きな色? となってしまったのだ。

そこで、マネージャーさんにマジな顔で「すいません、私が好きな色ってなんだと思いますか?」と質問した。返ってきたのは、「知らないよ。自分で答えなよ」という答え。そりゃあそうだ。でも本当にわからなくて、困った。

周りの目を意識しすぎて「自分」が迷子に。「居場所は自分で作っていける」と気づけた転機

色は本当に一例に過ぎなくて、私はこれまでそれくらい自分で何も決めてなかったんだなと気づいた。

好きなこと、好きなものはある。だけど、その「好き」には「周りから見た井上咲楽だったら、好きって言うかな?」というフィルターが挟まっていた。だから、シンプルに好きな色を聞かれただけなのに、困ってしまうのだ。胸を張って、「私はこれが好きです」と言えなくなっている。

いろいろと書いているけど、本作りの序盤でストレートに好きなものを好きと言えなくなっている自分を発見できたことが、まずは良かった。編集者さんや久保田さんからすると、「全部、丁寧にやりたいです」と希望を伝えたのに「好きな色」を聞いただけで困っているのは、本当に手を焼いたと思う。

それでも『井上咲楽のおまもりごはん』を作っていた時間は、私にとって大きな転換点になった。好きを基準に自分の考えを提案して、仕事を進めていく。外から見て劇的に変わったところはなかったと思うけど、居場所は自分で作っていけることを知ったのだ。

私みたいなバラエティタレントは「推し」にならない、という考えがひっくり返った出来事とは?

『井上咲楽のおまもりごはん』を出した後、ファンの人たちと交流する「井上咲楽の近況報告」というイベントを開催させてもらった。

本に掲載したレシピを実際に調理して振る舞ったり、私の持っているちょっと変わったTシャツを展示して紹介したり、ゲストでお父さんに来てもらったり……。イベント会場の定員は40名。最初にマネージャーさんから聞いた時は、絶対に集まらないと思った。

例えば、街で「井上咲楽だ」と気づいてくれた方から、「好きで見ています」と言っていただけることがある。すごくうれしい。でも、心の中には冷静な私がいた。

絶対に私はこの人の〝一番の好き〟ではない。自分を卑下しているわけでも、相手を疑っているわけでもなくて、私みたいなバラエティタレントは「推し」の対象にならないからだ。

たまたまつけたテレビに私が出ているからといって、「あ! 咲楽ちゃんだ!」と見続ける人はいないだろう。「この子、最近よく出ていて頑張っているよね」。バラエティタレントの私が持たれる好感というのは、実際のところ、そのくらいの感じだと思う。

アイドルやミュージシャンの人みたいに「めっちゃこの人を推していて!」「会えるイベントは全部行きました!」という熱心なファンの人はいない。

つまり、私が「井上咲楽の近況報告」というイベントをしても、自分目当てでわざわざチケットを買って足を運んでくれる人はいないと思っていた。でも、イベント当日、会場は満席になった。あとで聞いたら定員の3倍を超える応募があったという。

私の料理を楽しんでくれて、ヘンテコなTシャツコレクションの話を笑いながら聞いてくれるお客さんたち。そう、私にもファンの人たちがいたのだ!

すごくうれしくて、勘違いかもしれないけど、自分目当てで応援してくれる人を期待していてもいいんだという可能性を感じることができた。

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■BOOK:『じんせい手帖』井上咲楽・著 1760円(税込み)/徳間書店

■著者略歴:井上咲楽(いのうえ・さくら)

1999年10月2日生まれ、栃木県出身。番組企画で太眉毛をカットし美女に大変身したことで注目を集め、現在は『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)のアシスタントを務めるなど多数の番組で活躍。国会傍聴・マラソンなど多趣味としても知られ、初のレシピ本『井上咲楽のおまもりごはん』(主婦の友社)も現在発売中。


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