「生理が始まると下痢してしまう」「急に下痢するのが怖くて外出できない」などの悩みはありませんか?
日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。更年期にはからだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。
更年期女性の悩みのひとつに「生理中の下痢」があります。今回は、更年期女性の生理中の下痢の対策法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
便秘と下痢のサイクルが逆転!

イラスト/lely
会社員の美紀さん(48歳)は、最近、生理中の下痢がひどくて困っています。
「以前は生理前は便秘がちだったのに、今は逆に下痢になることが増えて……」
生理前から生理中にかけておなかがキリキリ痛み、何度もトイレに駆け込んでしまうという美紀さん。
「また下痢……生理中だからしょうがないけどしんどいわ」
先日は、外出先で楽しく過ごしていたのに、急に便意が我慢できなくなり、慌てて近くのカフェのトイレに駆け込んだそうです。
「ちょっと待って! あ、間に合わないかも……」
冷や汗をかきつつなんとか事なきを得た美紀さん。
生理になると必ず下痢をするので、外出自体が怖くなってしまいました。
更年期の影響はこんなところにも!?
外出先から戻ると、ソファにぐったりと倒れ込んだ美紀さん。
「もうこんなひどい下痢は我慢できない」
少しでも解決のヒントを探そうと、スマホで「下痢 生理中」と検索しました。
すると、更年期に入ってから生理中の下痢がひどくなったという体験談や婦人科の医師による解説記事を見つけました。
「私の下痢も更年期のせいだったのかも……」
そう考えた美紀さんは、早速、婦人科を受診することを決めました。
更年期の胃腸症状の変化
更年期は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少するため、自律神経のバランスが乱れやすい時期です。
腸の蠕動運動は自律神経にコントロールされており、その働きが乱れて腸の動きが活発になりすぎると、下痢を引き起こします。
更年期は、ホルモンの変動だけでなくライフスタイルの変化によってもストレスや不安を感じやすくなります。
その結果、自律神経が乱れて下痢が起こりやすくなるのです。
さらに、更年期の女性に多い冷えも、胃腸の機能を低下させて下痢の原因となります。
冷えのぼせやホットフラッシュなどの更年期症状があると、首から上に熱が集まりやすくなり、おなかが冷えて下痢を起こしやすくなるため注意が必要です。
本編では、更年期症状と下痢の関連性についてお届けしました。
続いての▶▶つらい下痢症状への対処法は? 改善するための3つのヒント
では、つらい「更年期の下痢症状」への対処法をお伝えいたします。