本作は、田舎で違法手術を行う天才医師セオクと、脳手術の権威ドッキとの熾烈な対立と頭脳戦を描くメディカル心理サスペンス。師弟関係でありながらも憎しみ合う2人の闘いと、メディカルスリラー要素が融合したドラマとなっている。
会見はフォトセッションからスタート。シックな黒のパンツに身を包み登壇したパク・ウンビンは、持ち前の華やかでラブリーな笑顔を浮かべてポーズ。ソル・ギョングは、ベテランの風格を感じる佇まいで撮影に応じた。


キム・ジョンヒョン監督は、彼女をキャスティングをした理由について「意外性」と回答。
「俳優がそれまで見せてこなかった姿を引き出せるというのは、監督にとって喜びを感じるものです。パク・ウンビンさんが今回の役を引き受けてくださることが決まった時、とてもうれしかったです。実際、現場でウンビンさんの演技を見ながら『本当にクレイジーだ』という言葉が何度も口から出ました」と興奮気味に語った。

パク・ウンビンは、「セオクは、脳と手術をこよなく愛する天才医師。幼稚で単純なところがあり、本能に忠実な人物です。怖いもの知らずで、衝動を抑えることが苦手なため、制御不可能な姿を多く見せます」と役柄を紹介。
「『無人島のディーバ』を撮影していた頃にオファーをいただきました。まずタイトルに魅かれましたし、台本に書かれている強烈なログラインと展開、これまで演じたことのないキャラクター設定に好奇心をかき立てられました。今回は計算をして演技するのではなく、その状況や相手とのやり取りに五感を研ぎ澄ませ、本能で演じています。演じる中で自分も知らなかった姿を発見すると“これがセオクの顔なんだ”と感じました。こういう役ですから、役に共感してほしいとは言えません。“こういう人もいるんだな”と思っていただければ。私がどこまでクレイジーになっているか、注目してください」と期待を煽った。

一方、ソル・ギョングが扮したのは、セオクの恩師でありながら、彼女を表舞台から追放したドッキ教授。「ドッキは脳の魅力に取り憑かれ、脳という“島”に閉じ込められて生きているような人物。脳神経外科の権威であり、周りから尊敬もされていますが、誰をも寄せ付けず、愛情をむける後輩、弟子もいません」と説明。
「唯一目をかけたセオクでさえも、結局は器の小ささゆえ突き放してしまう冷徹さもあります。脳に関しては自信に満ち溢れていますが、情けない面や子どものような面もあると思ったので、その都度、演技を変えていきました」と明かした。

パク・ウンビンも同じく医者役に初挑戦。「手術の場面だけでも1日に6時間から10時間ほど撮影しました。精巧に作られた脳の模型を一日中顕微鏡で覗き込みながら、これが今私の頭の中にもあるんだなあと思うと、興味深かったです」と感想を述べた。
■ソル・ギョング、共演に「ワクワク」パク・ウンビンは「涙が出そう」
今作のカギとなるのが、セオクとドッキの複雑怪奇な師弟関係。特に2人の名優の演技合戦は大きな見どころだ。ソル・ギョングとの相性を尋ねられたパク・ウンビンは「100点満点中100点です」と華やかな笑顔。


さらにユン・チャンヨンは、セオクの助手を務めるソ・ヨンジュ役。ソル・ギョングとは映画『君の誕生日』以来、2度目の共演となる。
「いつも医者として尊敬するセオクのそばにいて、気遣いを見せたり、心配したり、自分のことよりもセオクを優先する人物です。ウンビン先輩とご一緒するシーンが大部分だったので、撮影現場では先輩と積極的にコミュニケーションを取りながら役作りをしていきました。共演した先輩方は本当にいい方ばかりで、幸せな現場でした。撮影の日には、その日感じたことを日記に書き留めるようにしていました」と、真摯にふり返った。

セオクの才能にほれ込み手術を手伝う麻酔外科医ハン・ヒョンホを演じるのが、パク・ビョンウン。悪役のイメージが強いパク・ビョンウンだが、今回の役柄は「今まで演じてきた役の中で最も悪意がなく善良な人物」だという。


そしてソル・ギョングが「今作は決して難しい作品ではありません。難しく考えず、天才2人の戦う様子、2人のやりとりを楽しんで観てほしいです」と語り、1時間の記者会見の幕を閉じた。
