私たちが使っている言葉には、「話し言葉」と「書き言葉」の2種類があることをご存知でしょうか。特に、ビジネスシーンでのメールのやりとりは、普段の話し言葉ではなく適した言葉に置き換えるだけで、表現力豊かに伝えられます。よく使われるものを(一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田玲子先生にあげていただきました。
【 気品を身につけるシンプルな教え#109メールでの言い換え言葉編 】
▶取引先に足を運んでもらう時はなんて言う?
◆取引先やクライアント日時の約束をするシーン
「弊社に来てください」を「お越しください」に書き換えるとグッと上品に
取引先やクライアントに来ていただきたい時、メールで何とお願いしますか? 「来てください」よりも「お越しください」と言うと、丁寧な印象を残せます。他にも、「いらしてください」「お立ち寄りください」なども丁寧な印象になります。また、「おいでください」は目上の人に使える敬語表現になり、実際にお目にかかったときには「ようこそ、おいでくださいました」と、おもてなしの表現を話されるといいですね。
▶日時は「いつがいいですか?」は×
クライアントなどに日程を相談する際に「いつがいいですか」と書くよりも…?
「いつが良いですか」ではなく「ご都合の良い日はありますか? 候補を2~3いただけると幸いです」と書き添えると、相手もスケジュール調整がしやすくなります。または、先に自分の希望日をいくつか挙げるのもよいでしょう。
クライアントに「書類を送ってもらえますか」と書きますか?
「書類を送っていただけると幸いです」や「書類を送っていただけると助かります」「書類を送っていただけると有難いです」のほうが印象は良いでしょう。さらに、書類を確認していただきたいときは、「確認してください」を「お手数ですが、ご確認いただけますか」に。または「恐れ入りますが、ご確認いただけますか」の方が丁寧ですね。
▶断りを入れる場合のマナー
◆返答シーン
相手へ断りを入れる場合「今は対応できません」をどう言い換えますか?
何かを依頼されてどうしても無理な場合、「今は対応できません」「無理です」とだけ返信すると相手に対して丁寧さに欠ける答え方になります。その場合には、相手に理解していただけるように「〇〇の理由で難しい状況です」などと理由も伝えて、さらに、「無理」を「難しい」と書き換えるとよいでしょう。たとえば、「申し訳ありませんが、○時頃にご連絡致します」に。「~できません」を「恐れ入りますが、現在、多忙のため、お引き受けすることが難しい状況です」などに。
▶「〇〇で結構です」はアリ・ナシ!?
何かを訪ねられて答える場合「大丈夫です」や「〇〇で結構です」と書いていませんか?
「大丈夫です」や「〇〇で結構です」は肯定なのか、否定の意味になるのかなど、意味の取り違いが起こりやすい言葉です。誤解を避けるためにも、「〇〇でお願いいたします」
「問題ありません(問題ございません)」や「どうぞご安心ください」に書き換えるようにしましょう。
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