ワンダーファイは2025年2月14日、「中学入試算数 良問大賞2025」を発表した。算数の思考そのものの楽しさを引き出し、受験生の健全な学習につながる問題を選定し、その意義を詳しく解説している。今回の良問大賞には、開成中学校の大問2が選ばれた。 ワンダーファイは2020年から毎年、中学入試算数の出題傾向を分析し、優れた問題をまとめた「中学入試算数 良問大賞」を発表している。同取組みでは、「算数の思考そのものの楽しさを引き出し、受験生の健全な学習に寄与する問題」を「良問」と定義し、評価・発信している。中学入試算数の奥深さや楽しさを広めることで、知的にわくわくする子供たちがあふれる未来を目指している。 今回、良問大賞に選ばれた開成中学校の大問2は、縦4マス・横9マスの長方形をルールに従って分割し、その分割方法ごとにポイントを算出する問題。解答者は、できるだけ高いポイントが得られる区切り方を考え、そのポイントが大きいほど高得点が与えられる形式となっている。この問題は、設定が斬新で思考力を刺激する構成であり、「筋の良い試行錯誤」を段階的に評価できる点が評価された。また、特別な事前知識がなくても試行錯誤のプロセスによって差がつく仕組みであることも選定理由の1つである。 さらに、入賞問題としては、市川中学校の大問3がベスト設定賞、栄光学園中学校の大問3がベスト速さ賞、海陽中等教育学校の大問3がベスト場合の数賞、四天王寺中学校の大問7がベスト推理賞など、多数の学校が選ばれている。各問題の詳細や選定理由については、ワンダーファイの公式Webサイトで公開されている。 ワンダーファイ代表の川島慶氏は、2025年の中学入試算数について、「未知の課題に対応できる思考力」を問う意図から、受験生が見たことのない設定の問題が増えていると述べた。その結果、受験生側ではパターン学習のストックを増やし続ける状況が続いているが、ワンダーファイでは「算数の面白さを味わえること」と「受験生の学びに健全な影響を与えること」を重視し、良問を選定していると説明している。 中学受験算数は、小学生が貴重な時間を費やして向き合う学びの場である。試験問題としての要件を満たしながら、受験生の健全な学びを促進し、算数の本質的な楽しさを味わえる問題が増えていくことが期待される。ワンダーファイは今後も、子供たちがわくわくしながら取り組める学びの機会を追求し、考える楽しさを広めていく方針だという。