「妻が重病になり、入院したことが耐えられなかった」別の女性に癒やしを求めた男性が、最後に追い込まれた袋小路とは | NewsCafe

「妻が重病になり、入院したことが耐えられなかった」別の女性に癒やしを求めた男性が、最後に追い込まれた袋小路とは

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「妻が重病になり、入院したことが耐えられなかった」別の女性に癒やしを求めた男性が、最後に追い込まれた袋小路とは

結婚生活においては、相手への感謝の気持ちを持ち続け、その絆を深めていくことが理想とされるでしょう。しかし、時として「感謝」という名の重荷が、人の心を追い詰め、孤独や虚無感を生むこともあります。

今回インタビューに応じてくださったユキヒサさん(42歳・会社員)は、妻(40歳・会社員)への献身的な愛情と感謝を惜しまないことで、「誠実な男性」と評判でした。しかし、結婚7年目のある日、入院を余儀なくされた妻を支える中で、彼は突如として浮気に走ってしまいます。

「これまで築いてきた家庭が、一夜にして崩れるような感覚でした」

そう振り返る彼。自分でも理解しきれない「裏切り」に至った背景には何があったのでしょうか。恩義と自由の狭間で苦悩し、現実から逃げ出したい思いに翻弄されたユキヒサさん。その胸の内には、私たちが見過ごしがちな社会構造や個人の孤独が色濃く浮かび上がっていました。

「かつて支えてくれた妻」を、裏切っていいのか

── 今回、非常にデリケートな体験を率直に語ってくださり、ありがとうございます。まず、奥様を裏切ることになった経緯をお聞かせいただけますか。

「今から5年前、私が病気で入院したとき、妻は一生懸命看病してくれました。今でもそのことには本当に感謝しています」

── ということは、その後に状況が変わったのでしょうか?

「そうなんです。私が退院して仕事復帰した1年後、今度は妻が病気になり長期入院することになりました。自分でいうのもなんですが、最初の数カ月は献身的に支えていたと思います。でも、仕事と病院の往復で疲れが溜まっていったのも事実です」

── 仕事をしながらの看病は、体力的にも精神的にも負担が大きいですよね。ほかにサポートしてくれるご家族はいらっしゃいましたか?

「いいえ。私たちは地方出身で、どちらの両親も高齢のため頼れる状況ではありませんでした。子どももいないので、最初はなんとかなるだろうと思っていましたが、どうにも私は家事が苦手でして、ストレスがどんどん溜まっていきました。それでも、私が入院したときは妻が働きながら看病してくれていたので……。だからこそ、私のしたことは許されないと思っています」

── 許されないようなことがあったのですね。差し支えのない範囲で教えていただけますか?

「妻の入院に際して、女性特有の必需品など、自分では想像もつかないことが多くありました。どこで買えばいいのか分からず、会社の同僚のアラフォー女性に気軽に相談していました。そうするうちに、徐々に親密になっていったんです」

寂しくて、誰かに話を聞いてもらいたかった

── その同僚の方とは、最初から男女の関係に発展しそうな雰囲気だったのでしょうか?

「いいえ。最初はただの相談相手でした。『こういう女性向けの日用品って、どこで買えばいいの?』と軽い雰囲気で質問をしていました。家族や親しい友人が近くにいない中、気軽に聞ける相手が彼女しかいなかったのです。彼女は優しくて、『大変そうだね』とか『こういうときはこれを使うといいよ』と丁寧に教えてくれました。その気遣いが、本当にありがたかったんです。妻の入院が長くなりそうだという不安もあって、誰かに話を聞いてもらいたかったんですよね」

── 話を聞いてもらいたい、というのはどんな思いだったのでしょう。

「妻の入院によって、仕事・看病・家事のすべてを一人でこなす必要がありました。 『こんなことまで妻がやってくれていたんだな』と感謝する気持ちがある一方で、 『これがいつまで続くんだろう』 という漠然とした不安もありました。以前、僕が入院したときは、妻の献身的な支えがあったからこそ回復できた。だからこそ、逆の立場になった今、 『自分も頑張り続けなければ』 という自己暗示のようなものに囚われていました。でも実際には、体も心も疲れていて……。 『少し楽をしたい、逃げたい』 と思う瞬間があったんです」

── その “逃げたい” という気持ちは誰かに相談できましたか?

「それが言えないんですよね。妻のために尽くすのは当たり前だし、むしろ弱音を吐くなんて裏切りじゃないかと思い込んでいました。実家の親も高齢で、あまり心配かけたくない。兄弟や友人に『お前なら大丈夫だよ』と言われると、ますます弱音を吐いちゃいけない気がして。だから一番身近にいた同僚の女性にしか、本音を話す場面がなかったんです。それに彼女はうまく話を聞いてくれる人でした」

── その女性は、どのように受け止めてくれましたか?

「『大変だよね』『私でよければ話を聞くよ』と、シンプルな言葉でした。でも、その言葉だけで救われたんだと思います。僕が抱えている罪悪感とは別の次元で、人としてシンプルに 『頑張ってるんだね』 と肯定してもらえたことがありがたかった。その優しさに甘えてしまったんです」

── そこから男女の関係に発展したきっかけは何だったのでしょう?

「ある土曜日、休日出勤の帰りに 『少しだけ飲んで帰ろうか』 と二人で居酒屋に行きました。そのときも妻は長期入院中で、不在の家に帰ると寂しさや虚無感ばかりが募る。気持ちは焦っているのに、家に帰ると何もできず、ただ孤独が広がる。そんなとき、彼女を誘ってしまったんです。彼女も 『ちょっとだけなら』 と付き合ってくれました。お酒が入って、つい『最近本当に辛いんだよ』と弱音を吐いたら、彼女が『そんなに頑張らなくていいんだよ』『もっと自分を大事にしていいんじゃない?』と言ってくれました。もちろん彼女は僕ほどは重い事情を抱えていないから、表面的な言葉かもしれない。でも、その言葉が、妙に心に響いたんです」

── その言葉をどう受け止めたのでしょうか?

「 『頑張る自分を解放していいんだ』 と肯定的に解釈してしまった。その日はそのまま解散しましたが、帰り道に妙な感情が芽生えました。 『妻のために尽くすべきだと分かっているけれど、それだけが人生じゃないのでは?』 と。もちろん、浮気を正当化するつもりはありません。でも 『別の道もあるかもしれない』という考えが頭をもたげてしまったのです」

ついに裏切りへ。開放感と、苦しさが同時に押し寄せて

── そこから関係が深くなるまでに、時間はかかったのでしょうか?

「飲みに行った日の翌週末に、二人でショッピングモールへ行くことになりました。理由は、妻が欲しいと言っていた小物を買う場所を教えてもらうためです。僕が妻に必要なものを揃えてお見舞いに持って行くための集まりだったので、彼女との『関係』を進めるつもりはありませんでした。でも、買い物をしながら話すうちに、ふと彼女に対してドキッとする瞬間があったんです。なんて言うんでしょう……他愛のない会話をしているだけなのに、『今の僕は、この人に興味を持ってしまっている』とはっきり自覚しました。彼女も僕の目線で何かに気付いたのでしょう、まんざらでもない雰囲気でした。やけに距離が近いなと感じる仕草が増えていったのです。結局、その日の帰りに彼女の家へ寄ることになりました」

── 一線を超えたときの心境は、どんな感じでしたか?

「正直にいうと、最初は後ろめたさというより、やっと息ができたような感覚でした。ずっと張り詰めていた糸がパチンと切れたような。それまで『家庭を背負って立たねばならない』『妻を支えなければ』という責任感に押しつぶされそうな日々だったので、一時的に全てを忘れて『自由』を味わった気がしました。でももちろん、そのあと猛烈な罪悪感が襲ってきました。帰宅するときには、自分を責める気持ちでいっぱいになっていました」

── ご自身のなかで、罪悪感と解放感がせめぎ合っていたと。

「そうです。一度関係を持ってしまうと、次はそこに依存してしまうんです。『もう二度とこんなことはしない』と思った反面、『あの瞬間だけはすごく心が解放された』という誘惑に駆られました。妻には言えない悩みや愚痴を、その女性には遠慮なく言えて、しかも受け止めてくれる。完全に甘えてしまったんです。そして、彼女も僕との関係にのめり込んでいくようになりました。おそらく彼女自身も、何か……たとえば、結婚していないことに対する悩みなどを抱えていたのかもしれません。僕が『妻がいる男』であることで、ある意味、擬似的に“家庭”や“夫婦”という関係を感じていたのかもしれません」

── 徐々にお互い離れられなくなったということでしょうか?

「はい。僕としては『いつか終わりにしなければ』と思う反面、そのタイミングがわからなかった。妻が入院中なので、『ちょっと今は無理だ、落ち着いたら話そう』と言い訳をしていた。そんな中、妻の容体は回復に向かっていったんですが、その嬉しさとは裏腹に、『関係を清算せねば』という別の重圧が僕を苦しめるようになりました。完全に自業自得なんですが……」

本編では、妻の入院で心のバランスを崩し、他の女性に走ってしまったユキヒサさんの心のうちをお届けしました。

続いての▶▶崩壊へのカウントダウン。「妻が入院したから寂しくて」1年ももたずに他の女性に依存した男性の言い分は

では、妻に裏切りがばれてしまったあとのユキヒサさんの葛藤についてお届けします。

《OTONA SALONE》

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