東京都は、子供や子育て家庭の日常的な不安や悩みに寄り添うため、新たな支援サービス「ギュッとチャット」を2025年1月24日に開始した。これは、リアルとバーチャルの両面から子育てのつながりを創出する取組みの一環であり、子供や保護者が日常的に抱える不安や悩みをチャットで気軽に相談できることを目指している。 このサービスの背景には、東京都が進める「未来の東京」戦略がある。特に「子供の笑顔のための戦略」の一環として、子供や子育て家庭が感じる孤独や不安を解消するためのプラットフォームづくりが進められてきた。2023年7月には、東京都内在住の子供と保護者約3,200人を対象に調査を実施。孤独や孤立を感じる人の7~8割が他者とのつながりを求めていることが明らかになった。また、相談相手を選べることや、継続して同じ相談相手に話を聴いてもらいたいというニーズも確認された。 「ギュッとチャット」は、これまでの定期訪問に加え、どこに相談したら良いかわからないモヤモヤとした悩みを最初に相談する窓口として機能する。利用者は、スマートフォンやパソコン、タブレット、学校の1人1台端末など、多様な端末からアクセス可能だ。相談時間は午後3時から午後10時までで、平日・土日祝日共通。相談予約は24時間可能である。 相談相手としては、公認心理師や臨床心理士、看護師、保健師、助産師、保育士、社会福祉士、ファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタント、元教員、大学生・大学院生などが予定されている。これにより、子供や子育て家庭が多様な相談相手と気軽につながり、さまざまな不安や悩みを継続して対話できる環境を提供する。 さらに、サービスの広報活動にはマスコットキャラクター「ギュッぴぃ」を活用。声優の遠藤綾が声を担当する。また、サービス利用案内動画も制作され、子供向けと保護者向けに分けて、ギュッとチャットのWebサイトや子供政策連携室YouTubeチャンネル「東京動画」で公開される。 今後は、先行稼働として4回線でスタートし、成果を踏まえて回線数の拡大やAIの活用、多言語対応を実施するなど、サービスの充実を図っていく予定だ。東京都は、子供や子育て家庭が孤独や孤立による不安や悩みを抱えないよう、引き続き支援を強化していく方針だという。