千葉県教育委員会は2024年12月18日、2026年度以降の入学者選抜における改善策を発表した。おもな改善点は、調査書の記載項目の精選と、学力検査「国語」における「放送による聞き取り検査」の見直しについて。配慮が必要な生徒の心理的負担を軽減し、より多様な資質・能力を評価することを目指す。 千葉県教育委員会は、入学者選抜の改善を目的に協議会を設置し、検討を重ねてきた。今回の改善策では、調査書の記載項目を精選することなどが決定。具体的には、2026年度入学者選抜から「総合的な学習の時間の記録」「出欠の記録」「行動の記録(第3学年)」「総合所見」の4項目が削除される。これにより、配慮が必要な生徒に対する心理的負担を軽減することが期待されるという。 2025年度の入学者選抜においても、不登校経験を有する生徒に対して、在籍する学校での出席状況のみをもって不利益な取扱いをしない方針を明記。欠席が多い理由を説明するために自己申告書を提出することができ、提出されたことによって不利益な取扱いを受けることはないとする。 また、2027年度の入学者選抜からは、学力検査「国語」における「放送による聞き取り検査」が見直す。これまで「話すこと・聞くこと」の領域に関しては、「放送による聞き取り検査」のみで出題されていたが、今後は話しあいの場面などを設定した文章による出題に変更する。この変更により、「話すこと・聞くこと」の領域に関する資質・能力を複数の問題から評価することが可能になるという。 今回の改善策は、入学者選抜における公平性と多様性を高めることを目的としている。特に、不登校経験を有する生徒への配慮を強化することで、すべての生徒が平等に評価される環境を整えることを重要視。今後も、教育現場における多様なニーズに応じた柔軟な対応が求められるだろう。