元国税職員さんきゅう倉田です。東京大学に通っています。
先日、合コンに参加したら、学芸大学卒業の女性がいた。彼女曰く、「学芸大学は東大を落ちて、滑り止めで入学する人」が多いそうだ。
強い学問的探究心を持つぼくでも「周りに何人くらいそういう人がいたの?」とは聞けない。
そんなことをすれば、女性は問い詰められたように感じ、ぼくとの会話を避けるようになるかもしれない。しかし、サンプルが少ないなら容易に信じることはできない。
主観的な意見であるから人数を明らかにすれば、誠実さを見せることができる。
でも、たいてい、人数は示されない。小学生が「みんなファミコン持ってるから、買ってよ」と親にねだるのと同じだ。二人以上はいつだって「みんな」なのだ。
ぼくは合コンに来てくれた女性の話に対して、「それ本当か?ファクトチェックしたのかな?」などと考えているから、もう全然モテない。声にも顔にも出さないようにしているが、気になって仕方がない。
「学芸大学には東大に落ちた人が”たくさん”いた」と言われ、ぼくは「そうなんだ」とだけ言った。
>>「東大に落ちて国立大」?いや「後期日程」で入るのはむしろ難関
「東大に落ちて国立大」?いや「後期日程」で入るのはむしろ難関と言いたい
ほとんどの国立大学の入試には「後期日程」という制度があり、前期日程で落ちても受験ができる。
この後期日程で合格するのは、倍率や受験生のレベルから見て大変難しく、「後期横国」「後期一橋」などと聞くと、第一声で「すごい」と言っている。
ぼくの所属する書道研究会の先輩は、京都大学を落ちて後期で横国へ行った。また、友人の1人は東大に落ちて一橋大学へ行き、仮面浪人を経て東大に合格した。
彼らは2人とも賢い。
みなさんの周りに後期日程で国立大学に入った人がいたら、讃えてあげてほしい。
しかし、そういう学歴がどうたらこうたら述べるのは、過剰になると気味が悪いもので、昨日も3年生たちの話を聞いていて感じた。
>>「下位に入ったら人生終わり」東大生が特別視する模試とは…
「下位に入ったら人生終わり」東大生が特別視する模試がある!?
同じ学部で、同じサークルに所属するAさんとBさんは、予備校からの知り合いだ。
その予備校の名は「鉄緑会」。
ぼくは授業を受けたことがないが、「鉄緑会」の生徒にのみ提供されるテキストや東大入試の模範答案は、他の予備校を凌駕している。
毎年東大に大量の生徒を入学させるような中高一貫校だと、「指定校」の制度があって、入塾テストが免除される。
ホームページを見ると、指定校として、開成、桜蔭、筑駒、麻布、海城、駒場東邦、筑附、豊島岡、女子学院、雙葉、渋幕、渋渋、早稲田、聖光、栄光が並んでいる。当然だが、中学受験の難関校ばかりである。
そんな「鉄緑会」には高校2年生が参加するクリスマス模試なるものがある。調べたところ、この模試の結果で高3のクラスが上位と下位に分かれ、下位の生徒は現役での合格率が低いと考えられている。
友人曰く「下位に入ったら人生終わり」らしい。そんなことねえだろ、と言ってやりたい。
その模試でAさんは2位だった。
Bさんは昨日そのことを褒めたのだった。彼らは3年生なので、21歳になる学年だ。高2は17歳。
4年も前の模試の結果をいまだに賞賛している。もう東大に入ったし、大学に入ってから成したすばらしい行動や結果があるはずだ。そのことを褒めずして、4年前の模試の順位を賞賛する。
「あなたは大学に入って何も結果を出していないわね」と言っているようなものだ。
「物理オリンピックで金メダル」とか「共通テストで全国1位だった」のような汎用性のある情報と違い、中高6年一貫校の生徒を対象とした東京大学受験指導専門塾「鉄緑会」のクリスマス模試で2位という情報は、一般に耳目を集めない。
社会に出てから彼らが同じ話をしないか心配である。
▶つづきの【後編】では、東大生「13人」に入試の点数を聞いたら…についてお届けします__▶▶▶▶▶