日本では、正社員以外の就労形態(アルバイトやパートタイマーなど)で生計を立てている人を"フリーター"と言いますが、これは日本独特の和製英語なのだそうです。英語圏では正社員という用語そのものがないため、明確に対応する用語は存在しないのだとか。
当初、この"フリーター"という言葉に明確な定義は存在しませんでしたが、1991年、厚生労働省が実態調査のため定義を設けました。簡単にまとめると「中学校卒業後の年齢15歳から34歳で、在学していない者。かつ就業している場合は、勤め先における呼称が"アルバイト・パート"である雇用者」…となっています。さらに内閣府の定義では「これに派遣社員や契約社員等の非正規雇用者を含めた者」と追加されます。
この定義を見て「35歳以上で、パート・アルバイトによって生計を立てている人は"フリーター"ではないの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。ここに1991年当時の行政の、雇用問題への見通しの甘さがうかがえます。その後、この年齢の上限を越えるパート・アルバイト・派遣社員・契約社員などの非正規労働者は増え続け、その結果生まれた言葉が"中高年フリーター"。35歳から定年前の59歳までの非正規労働者が、この枠に入ることとなったのです。
そこでNewsCafeのアリナシコーナーでは「30代後半のフリーターはアリ?」という調査を実施しました。結果とともにさまざまな意見をご紹介します。
【アリ…29%】
■このご時世だから…簡単に生活保護に頼るより納税者であるべし。
■失礼過ぎますね(怒)! 今現在は仕事があるだけでもマシです。
■昨今、正社員雇用が減少しているんだから、いて当たり前だろう。
■大半の人は好きでフリーターをしている訳ではないと思う。
■バイトでも働いてるならいいんじゃないの。
■ニートでもフリーターでもフルタイマーでもキャリアでも生きてればいい。
■やむを得なくとも、自分で選んだライフスタイルとしてもアリでしょ。
■新卒しか採用ない社会の責任は? 三割非正規な政策の責任は?
■手取り20万の正社員もいれば手取り50万のフリーターもいる。
■ナシにしたいがこのご時世誰にでもありうる。人の事笑えないよ。
【ナシ…71%】
■今の世の中仕方ないが、なるべく避けたい。厳しいけど頑張れ。
■正社員が増える社会にならないかな…。
■でも、働く気がある分いいと思う。ニートよりマシ!
■倒産や解雇でない限りはいい加減な人間に思われ信用されない。
■いろいろ事情もあるだろうけど、結婚相手にはしたくないな。
■事情はあるだろうが…すべて社会や雇用情勢のせいにするなよ。
■ナシだといいんですけどね~。
■現実は仕方ない場合もあるけど脱する努力をしてほしい。
■仕事がないのか正社員になりたくないのかどちらでしょうか?
■30代後半がバブル崩壊。就職氷河期。一番恵まれてない世代で可哀想。
結果は【ナシ派】が7割超と大多数。とはいえ「今の世の中仕方ないけど」「でも、働く気がある分いい」「アリ・ナシではなくて、現実的に仕方ない人もいるから…」など前置きをしての投票が多いようです。また【アリ派】からは「働いていることに変わりはないのに失礼です」という声も多く届いています。
両派に共通して寄せられた意見は「働かないよりマシ」というもの。ましてや、倒産の恐れがまったくない会社などごく僅か。「明日は我が身」という声も多く寄せられました。そもそも前述の定義ではフリーランスで働く人間すべてが"フリーター"もしくは"中高年フリーター"と括られることになります。"働く"ということ、日本特有の"正社員"という言葉…様々な面から雇用を見直す時期なのではないでしょうか。
[文・能井丸鴻]
[写・Brian]
《NewsCafeアリナシ》
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