2010年から11年への年越しは、みなさんはどのように過ごされたでしょうか?
私はここ数年ずっと、新宿・歌舞伎町でバーなどの飲み屋をはしごしながらの年越しを続けてきました。
大晦日の新宿は、帰省する実家がなかったり、帰省できない事情があったりする人たちが毎年のように集まってきます。
今回は違った年越しとなりました。「年越いのちの村」に参加したのです。
家族や親族、友人、知人との関係に悩んでいる人たちは、年末年始は居場所がなくなります。
こうした人たちの孤独を癒す目的で開催されたのです。
「年越いのちの村」の主催は、自殺で親を亡くした子どもたちのサポートをしている任意団体「Live on」(尾角光美=同志社大4回生)です。
大阪・天王寺にある「應典院」(代表・秋田光彦)で開催されました。
31日は、カレーや年越しそばを食べたり、應典院の親寺・大蓮寺の鐘をついたり、深夜には大蓮寺の本堂で話をしたりしました。
1日は、雑煮を食べたり、書き初めをしました。秋田住職の話を聞いたりもしました。
「いのちの村」のきっかけは、藤堂功さん(52)が電話で尾角さんと話をしているときに、「何かできることはないか?」と言ったことでした。
小学生の頃、家庭が貧しかったために施設に預けられた藤堂さん。
長男でしたが、「5人兄弟いて、どうして俺だけが辛い思いをしなきゃいけないのか?」と憤りを感じていた、といいます。
その結果、人の輪に入れず、コミュニケーションが苦手になっていきました。自殺未遂を何度も繰り返したといいます。
「常に孤独でした。親の愛情を知らないんです」
しかし、数年前、「死のう」と思ったときに、行動に移さなかったのです。
これまで生きて来た中でいろんな人たちの人生に触れてきたためもありますが、子どもの顔が浮かんだことも大きかったようです。
そして、尾角さんが活躍するテレビ番組を見て、連絡を取ったのです。(続く)
※写真:「年越いのちの村」で鐘をつく
《NewsCafeコラム》
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