今年、制作50年を記念して公開されて話題を呼んだ映画『美しく、黙りなさい』(1976)は、ジェーン・フォンダ、ジュリエット・ベルト、マリア・シュナイダー、エレン・バースティンら70年代の23人の女優たちが、男性中心の映画業界での経験や意見を自分たちの言葉で率直に語った、映画とジェンダーをめぐる歴史的重要作。
監督は、『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル 1080、コメルス河畔通り 23番地』などで知られる大女優デルフィーヌ・セリッグが務めた。デルフィーヌ・セリッグはなぜ、『美しく、黙りなさい』を撮ったのか? 彼女は何を成し遂げたのか?
ドキュメンタリー映画となる本作では、フランス、そしてヨーロッパのフェミニズム運動の貴重映像とともに、本作の主人公である晩年のキャロル・ルッソプロスがデルフィーヌ・セリッグとの出会いを思い返し、ユーモアたっぷりに2人の日々をふり返る。
驚くほどに女性蔑視が甚だしいテレビ番組が平気で放送される時代に、デルフィーヌ・セリッグとキャロル・ルッソプロスは、男性支配の及ばない未開のメディア<ビデオ>で声をあげ、ついに女性のための映像アーカイヴ施設、ボーヴォワール視聴覚センターを設立する。
『夜霧の恋人たち』から『ロバと王女』『赤い唇』『インディア・ソング』『ジャンヌ・ディエルマン』などデルフィーヌ・セリッグ主演作の数々、カトリーヌ・ドヌーヴやアニエス・ヴァルダも名を連ねた人工妊娠中絶自由化を求める女性たちの請願書“343人のマニフェスト”、フランス革命以来の大規模デモといわれた1971年の女性たちのデモ、“フェミニスト”デルフィーヌに対する大物プロデューサーの製作拒否や大物男優の共演拒否……。それでも、私たちはひとりじゃない! と、女性の自由ために歩んでいく。
本作は、キャロル・ルッソプロスの企画を、彼女の死後、孫の映像作家カリスト・マクナルティが見事な編集で完成させた、フェミニズムとシスターフッドを生き生きと描く<黙らないミューズたち>の物語となっている。
『デルフィーヌとキャロル~黙らないミューズたち』は2027年1月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。
© Les Films de la Butte-Alva Film-Le Centre audiovisual Simone de Beauvoir-INA-2018












