
「バナナは腸にいい」とよく聞くものの、「どれくらい食べればいいの?」「本当に腸活に役立つの?」と思ったことはありませんか?
日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」小林弘幸氏によると、バナナを腸活に取り入れる際には、知っておきたいポイントがあるといいます。
本記事では、小林氏の著書から、研究をもとにした「バナナ腸活」の考え方や、毎日の習慣に取り入れるコツについて紹介します。
※本記事は書籍『腸を整えたければバナナを食べたほうがいいこれだけの理由 医師も実践している本気の腸活』(小林弘幸:著/アスコム)から一部抜粋・編集したものです
※イラスト/オガワナホ
研究結果で判明!「バナナ腸活」の基本は1日2本
「バナナ腸活」のやり方を解説します。まず、1日にどれだけ食べればいいのでしょう。さまざまな検証、研究を重ねて出た結論が、1日2本です。
順天堂大学漢方先端臨床医学研究室と小林メディカルクリニック東京の共同チームで、健常な成人男女20名を対象に実験を行いました。
1日2本のバナナを食べる・食べないの2つのチームに分けて、腸内環境、ストレス症状、免疫の状態、自律神経の活動、気分のアップダウンなどメンタル面が2週間でどのように変化するのかを検証するという試みです。
すると、約半数の方々に、次のような結果が得られたのです。
最新研究でわかった!1日2本のバナナの効果
副交感神経が優位な自律神経活性促進効果
自律神経が活発に働き、よく眠れてスッキリ起きられます。日中も活発に活動できるようになります。

腸内環境改善効果
お腹がスッキリして、快適な便通が増え、心身のさまざまな健康効果が期待できます。

気分改善効果
何もしなくても幸せな気持ちでいられ、穏やかな気分が続きます。

ストレス改善効果
イライラせず、気分がいつもリラックスしているようになります。

ここで、研究結果の項目にでてくる自律神経について説明をしておきます。人間の体には無数の神経がありますが、その中で内臓の働きや体温を調整してくれるのが「自律神経」です。
また、やる気を引き起こしたり、気分を鎮めたりといった精神面のコントロールにも自律神経が大きく関係してきます。
そんな自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、交感神経が優位に働くと、血管が収縮し、心臓の動きが活発になり、血圧が上がっていきます。それにより、興奮して活動的になります。
一般的に、活動的な日中は、交感神経が優位になっている状態です。一方で、「副交感神経」が優位になると、血管は拡張し、心臓の動きがゆるやかになり、血圧も低下し、体が休息モードになっていきます。
つまり、一般的には夜になり、睡眠に向かっていくとき、リラックスしているときなどは、副交感神経が優位になります。
ただ、昼間は交感神経だけが働き、夜中は副交感神経だけが働くというわけではありません。優位というのは、ちょっと高い程度と考えていただけるとイメージしやすいと思います。
日中でも仕事の休憩中でリラックスしているときは、ちょっとだけ副交感神経が優位になり、また仕事に戻ると交感神経がちょっとだけ優位になるというわけです。
▶あなたはどのタイプ? 自律神経4タイプを解説
意外と知らない、自律神経の理想形
よく「副交感神経優位がいい」といわれるのはなぜだと思いますか?
活動的な日中やストレスを受けたときに交感神経は活発化しますが、ストレスを受けすぎたり、休みなく働いたりして、交感神経が活発化しすぎると、副交感神経がほとんど活発化しなくなってしまうような状態になります。
すると、自律神経のバランスが崩れ、体のさまざまな機能がうまく働かなくなり、頭痛や冷え、不眠、肩こり、疲れがとれない、やる気が出ないなどさまざまな症状に悩まされるようになります。
ストレスが多く、活動時間が長くなっている今の世の中では、交感神経が活発化しすぎることで自律神経が乱れる危険性が高いため、副交感神経優位がいいといわれているのです。
しかし、副交感神経だけ優位な状態になり、交感神経が働かなくなってもいいかといえば、そうではありません。
下の図でいう「のんびりタイプ」の状態になると、いざ体を活動的な状況にしなければならないときでも、活発に働かないということになります。
また、「ぐったり無気力タイプ」のような、交感神経と副交感神経の両方の働きが弱っているときだと、うまく体の機能が働いていないという状況なので、たとえ副交感神経が優位だとしてもよくありません。
理想は「いきいき能力発揮タイプ」のように両方とも高い状態です。活動するときには、交感神経が活発に働いて体が活動状態になり、休むときには、副交感神経が活発に働き体をリラックスモードにしてくれます。
今回、2週間の「バナナ腸活」によって、両方の自律神経が活発化された、つまり「いきいき能力発揮タイプ」のような状況に近づいたというわけです。
さらに、副交感神経が優位に働いている=リラックスした状態になっているというのは、ストレスがたまりやすく、交感神経が優位に働きやすい時代において、非常によい結果が出たといえるのではないでしょうか。
自律神経は4つのタイプに分かれる
また、今回の研究で、腸や自律神経が整うことによって、ストレス改善など気持ちの面での実感があったという結果が出たのは、非常にうれしい限りです。
「病いは気から」といいますが、メンタルの不調は体の不調の現れでもあり、メンタルが改善したということは、腸を含め、体が健康に向かっている証拠ともいえるのではないでしょうか。
「バナナ腸活」の効果を上げるために気をつけたいこと
ただ、1日2本の「バナナ腸活」を楽しんで続けていくうえで、次のことを気をつけてください。
1.無理をしないこと
多くの方に愛されているバナナですが、得手、不得手はどうしてもあります。絶対に「毎日2本食べなくてはならない」と無理をしてストレスをためては、意味がありません。
ちょっと無理そうだなというときは、1日1本からはじめ、徐々に量を増やしてみてください。
また、効果には個人差があり、どうしても合わないという方もいらっしゃいます。もし「バナナ腸活」を行って体調があまりすぐれなくなった場合は、無理して続けないようにしてください。
2.忘れた日があっても気にしない
もし、1日2本食べられない日があったとしても、気にしないことが大切です。一度途切れてしまうと「もう意味がない。やめた」という思考に陥りがちです。
特に、習慣化できるまでは、1日忘れたとしても「明日やればいいや」ぐらいの前向きな気持ちで取り組んでください。
3.持病がある方は医師に相談を
現在、持病をお持ちの方は、「バナナ腸活」を試してみる前に、一度かかりつけの医師に相談してみるのがよいでしょう。
ここまでの記事では、「バナナ腸活」の考え方とコツについて紹介しました。つづく関連記事では、ベストなバナナの「選び方」をお届けします。
つづき>>腸活にベストなのは「何色」?選ぶべきバナナと、色ごとの効果の違いを専門医が解説!冷蔵庫でのおすすめ保存方法も紹介
■著者:小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」。さらに、腸と密接なかかわりを持つ、自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。また、日々の生活の中で、健康的な習慣を少しずづでも実践してほしいという思いから、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介やストレッチの考案など、さまざまな形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『最高の体調を引き出す 超肺活』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。





