飲食店で店員に怒鳴り散らす夫。肩書きのある人にはヘコヘコして…夫の態度を見るたび、私の心は切り刻まれていった | NewsCafe

飲食店で店員に怒鳴り散らす夫。肩書きのある人にはヘコヘコして…夫の態度を見るたび、私の心は切り刻まれていった

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
飲食店で店員に怒鳴り散らす夫。肩書きのある人にはヘコヘコして…夫の態度を見るたび、私の心は切り刻まれていった

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。「こんなに優しい人と結婚したら、きっと幸せになれる」。そう思って結婚したはずなのに、結婚後に相手の態度が大きく変わり、苦しんでいる女性は少なくありません。仕事を持ち、経済的に自立している女性であっても、財産分与で揉めることへの不安や、子どものこと、離婚に必要なエネルギーの大きさなどから、すぐに離婚を決断できないケースもあります。

私は、こうした夫婦関係やモラハラに悩む女性たちの相談を、長年にわたり受けてきました。今回は、結婚後に夫のモラハラに気づきながらも、10年経った今も「離婚すべきか」「でも、離婚する気力がない」と悩み続けているSさんのお話をご紹介します。

【実録・カウンセラーから見たモラハラ リバイバル】

モラハラ夫の態度に気づいても、離婚を決断できなかった

Sさんの夫は、中小企業に勤める会社員です。年齢相応の役職に就き、部下も数人いる、ごく普通の社会人として生活していました。しかしSさんは、自分に向けられるモラハラに長く悩んでいました。さらに、夫が飲食店のスタッフや店員、営業電話の相手などに対して取る態度もひどく、その声を聞くたびにつらくなるといいます。日常生活の中でも、突然胸がギュッと苦しくなるようになり、相談に来られました。

「夫のモラハラは、結婚した途端に始まりました。とにかく私を否定するんです。『お前なんて役に立たない』など、人格そのものを否定するような暴言を吐かれることもありました。私が言い返すと、今度は何日も無視される。そんなことが続くようになりました」

結婚前とはまるで別人のように変わってしまった夫に、Sさんは大きなショックを受けました。インターネットで調べるうちに、自分が受けているものは「モラルハラスメント」なのではないかと気づいたそうです。けれど、その時点で離婚を選ぶことはできませんでした。盛大な結婚式を挙げたばかりなのに、すぐに離婚するのは体裁が悪い。夫はいつか変わってくれるかもしれない。結婚前の優しい人に戻ってくれるかもしれない。そう思い、Sさんは結婚生活を続けることを選びました。

結婚後にモラハラに気づいても、すぐに離婚を決断できない方は多くいます。両親に相談しても「あなたの気のせいでは」「離婚は世間体が悪いからやめたほうがいい」と言われることもあります。友人に話しても、「結婚前の優しさはサービス期間だったのよ」「離婚は大変だから、もう少し我慢したら」と、今の状況にとどまることを勧められる場合もあります。

モラハラを経験したことのない人には、「夫が怒る」と聞いても、少し機嫌が悪いときがあるくらいにしか受け止められないことがあります。しかし、実際に受けている側にとっては、人格を否定され続けたり、無視によって精神的に追い詰められたりすることは、大きな苦痛です。だからこそ、モラハラに関する悩みは、その状況を理解できる友人や専門家、カウンセラーなどに話すことをおすすめします。

離婚するかどうかは、最終的にはご本人が決めることです。ただ、相談した相手に理解してもらえず、さらに傷ついてしまう「相談による二次被害」は、できるだけ避けてほしいと思います。

自分より弱い立場だと思った相手には、急に横柄になる夫

夫と2人で居酒屋に行ったときのことです。その店では、新人のアルバイトらしい若いスタッフが数人働いていました。慣れないながらも一生懸命働く姿に、Sさんは好感を持っていたといいます。しかし、夫の受け止め方は違いました。

「一体、何分待たせれば気が済むんだ! こっちのテーブルのほうが先にオーダーしたのに、向こうのテーブルに先に出しているよな!」

若いスタッフを呼び止めると、夫はいきなり大声で怒鳴り出したそうです。

「すみません、すぐにお出しします」

スタッフは平謝りし、厨房に戻って、注文した品をテーブルまで運んできました。

「注文したものを持ってきてくれたのなら、もうそれでいいじゃないですか。それなのに夫は、『すぐできるのに、なんでそれができないんだ!』と怒鳴り続けるんです。店長らしき方が来て、『失礼しました。他にお待たせしている品はありますか?』と間に入ってくれましたが、夫の怒りはなかなか収まりませんでした」

モラハラ傾向のある人の中には、自分が軽く扱われた、後回しにされたと感じたときに、強い怒りを見せる人がいます。実際には、店側が意図的に軽んじたわけではなくても、本人の中では「自分をないがしろにされた」と受け止めてしまうことがあるのです。また、相手を見て態度を変えることもあります。目上の人や自分に利益をもたらす相手には丁寧に振る舞う一方で、店員や営業電話の相手など、自分より弱い立場だと見なした相手には、急に横柄な態度を取ることがあります。

Sさんの夫も、外食先だけでなく、営業電話の相手に対してもひどい態度を取ることがあったそうです。携帯電話に着信があると、夫は「もしもし」と、とても低く不機嫌そうな声で電話に出ます。けれど、それが仕事関係の人や取引先だとわかると、声も態度もころりと変わるのだといいます。「風邪気味なので、声が変で失礼いたしました。どうしましたか?」声のトーンが一気に上がり、電話をしながら姿勢までよくなり、ぺこぺこと頭を下げるような態度になるそうです。

一方で、相手が営業電話だとわかった途端、「この番号をどこで知ったんだ! お前となんて話す必要はない! 二度とかけてくるな!」と怒鳴り散らし、そのまま電話を切ってしまうとのことでした。

「その怒鳴り声を聞くたびに、心臓がギュッとしてしまうんです」Sさんは、悲痛な表情でそう話してくれました。怒鳴る、威圧する、相手を萎縮させる。こうした行動の背景には、強いプライドや、自分の正しさを疑えない思い込み、相手をコントロールしたい気持ちなどが隠れていることがあります。また、仕事のストレスや、自分の弱さを見せたくない気持ちが、怒鳴るという形で表に出ている場合もあります。

けれど、どんな理由があったとしても、周囲の人を威圧したり、傷つけたりしてよい理由にはなりません。本当に自信のある人は、怒鳴ることで相手を思い通りに動かそうとはしません。自分の立場や力を使って相手を脅すような態度は、決して健全なコミュニケーションとはいえないのです。

本編では、Sさんの夫が外食先のスタッフや営業電話の相手に対して横柄な態度を取り、その姿を見るたびにSさんが深く傷ついていた日常についてお伝えしました。▶「こんな人の妻と呼ばれたくない」人を見下す夫の態度に10年耐えた妻が、ついに下した決断は では、なぜモラハラ傾向のある人は見栄を張ったり、相手によって態度を変えたりするのか。そして、夫の二面性に苦しむSさんが結婚生活を続けるのかについてお伝えします。

※本記事は、相談者様への敬意と守秘義務に十分配慮したうえで、モデルケースとして編集・再構成しお届けしています。特定の人物や事例を示すものではありません。

※写真はイメージです


《OTONA SALONE》

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