
首都圏の中学受験が過熱するなか、ネット上では「我が子にあった学校選び」に頭を悩ませる保護者の声が溢れています。家庭によっては、子供自身が「私立中学に行きたい」と希望するケースもあるようですが、まだ小学生ということもあり、必ずしも「自主的に勉強をする」とは限らないようです。
東京都世田谷区在住の牧江さん(仮名・46歳)は、小学3年生の頃、1人娘のFちゃんから「中学受験をしたい」と言われましたが、いざ始めると、いっこうに勉強をする気がなく、首都圏模試の偏差値は45前後。勉強嫌いなFちゃんを無理に勉強させようとしたところ、メンタルの調子を崩してしまったそうです。それでも私立中学に行きたいというFちゃんのために、近隣の「偏差値は控えめで雰囲気が良い」私立中学を探し始めたそうです。
■ミッション系中学の説明会に行ってみると……
偏差値40台でも「充実した推薦枠」 。そんなうまい話があっていいのか不安
先輩ママから紹介されたミッション系のA中学校は、偏差値40台ながら、有名大学への推薦枠が充実している学校でした。
「娘が制服をすごく気に入ったんです。しかも、関西出身の私でも名前を知っている昔からある学校です。大学時代の同級生も卒業生がいました。最近は共学人気で偏差値が下がっているみたいですが、私の学生時代なら偏差値50以上の伝統校でした」
説明会でとくに驚いたのは、系列大学や有名私立大学への推薦制度だったそうです。
「女性アナウンサーを多く輩出しているキリスト教系の人気共学校・B大学にも、かなり多くの推薦枠がありました。他には、お嬢様系女子大学との高大連携もあって、推薦枠が余るほどだそうです」
中学受験の偏差値は大学受験より低めに出るとはいえ、偏差値40台でこれだけの推薦実績があることに、牧江さんは衝撃を受けたといいます。
「B大学はもちろん、その他のミッション系女子大も、私の学生時代には憧れの学校でした。令和は、女子大冬の時代と言われることもありますが、今、派遣で働いている企業でも、『お嬢様系4年制女子大学』出身の若い正社員は少なくありません。本人に実力があれば、まだまだ就職で不利という印象はありません」
ついつい、まだ受かってもいないのに、大学進学や就職について思いを巡らせてしまうという牧江さん。
「当初は『偏差値50以上は目指したいな』と言っていた夫も、『女の子だから痴漢とかも怖いし、家から近くていいんじゃないか?』と、気に入っているようです。私はもともと、『中学の偏差値と将来の幸福度が比例する』とは信じていないので……、もちろん、すごく頭が良くて大出世される特別な方は別かもしれませんが、うちの子のレベルなら『無理せず受け入れてくれるところ』で『品の良い友人ができそうなところ』があったらありがたいな、と考えています」
■有名大学の推薦枠は多数あるようだけれど……
大学への推薦には、「条件」があった
実際に学校を見学すると、清潔感のある校舎や英語教育に力を入れた校風にも好感を持ったそうです。Fちゃんも、体験イベントの「オリジナルシール作り」を満喫していたとか。
「見学時には、『ここを第一志望で決まりかも』と思っていました。でも、詳しく説明を聞いてみると、やはり宗教色は感じましたね。私はアメリカ留学経験もあるので、キリスト教文化には抵抗はありません。でも、バックボーンが『寺の娘』ですから、少し考えてしまいました」
詳しく話を聞く中で、有名共学ミッション系B大学への推薦には「条件」があることを知ります。
「B大学の推薦には、牧師の先生の推薦状が必要だそうです。そのためには、聖書やキリスト教を学び、ボランティア活動などにも参加して、『キリスト教徒として歩む姿勢』を見せる必要があるみたいで」
在校生ママからは、「ここはまだゆるい方で、別のミッション系共学校では、難関大学推薦に洗礼が条件になるケースもあるって噂だよ」と聞いたそうです。
「もちろん、成績だけで推薦を受けられる大学もあります。いくつかの4年生女子大などはそれに当たります。ただ、人気の高い共学大学については、『キリスト教との関わり』が重視されるケースもあるようでした」
■ミッションスクールへの抵抗はないけれど……
「娘には、できるだけ多くの選択肢を」と他校も検討
「私は寺の娘ですが、幼い頃はクリスマスプレゼントだけはもらっていました。それにミッションスクール自体に抵抗はありません。でも、『大学推薦のために積極的に信仰を学ばせるべきか』となると、少し悩みます」
その後、在校生ママからは、「B大学推薦にこだわらなければ、日曜礼拝や聖書研究は自由参加だし、塾に時間を使う子もいるよ」と聞いたそうです。
「今の娘の学力や性格を考えると、A中学校はかなり魅力的です。候補から外すつもりはありません。でも、少し距離は遠くなるものの、仏教系の共学校も見学してみようかなと思っています」
最終的に決めるのは娘本人。ただ、牧江さんは「親としてできること」を考えているといいます。
「私の父や母は、口出しはしないと言います。住職である父は、『神父をしている知人と意見を交わしたこともあるし、大学の仏教学科では他の宗教を学ぶ時間もあるぞ』と、多様性に理解がある人です。でも、帰省してお寺で聖書を広げて宿題をしていたら、私は少し苦笑いをしてしまうかもしれません」
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この記事の前編>>勉強嫌いでも「みんな受けるから」中受をやめたくない小5娘…。伴走母は偏差値45を想定して志望校探し




