長年連れ添った親友のベッシーが亡くなり、心にぽっかり穴が空いてしまったエレノア。疎遠な家族も相手にしてくれない。そんなある日、気軽なお茶会のつもりが、ホロコースト生存者の自助グループの会に迷い込んでしまう。
今日だけの嘘、とその場しのぎで語り始めたのは、ホロコーストの記憶を語っていた亡き親友ベッシーの半生だった。激動の半生に感銘を受けエレノアに近づいたジャーナリスト志望の学生ニナとの新たな友情に心躍るエレノアをよそに、悪気のない嘘はひとり歩きし大騒動に発展してしまう…。
底なしに明るい老婦人と母を亡くした学生が「嘘」をきっかけに出逢い人生の再スタートを切る。
多文化共生の街ニューヨークを背景に世代や文化を超えた友情を描いた本作は、スカーレット・ヨハンソンの長編映画初監督作品。近しいからこその家族との確執、老いと若さ、ホロコーストの記憶、語り伝える行為、そして何よりも普遍的な人間同士の絆をユーモアとウィットに富む演出で軽やかに映し出した。
カルト的な人気を博し近年のリバイバル上映でも大ヒットを記録した『ゴーストワールド』や、日本を舞台にした『ロスト・イン・トランスレーション』で俳優として大ブレイクし、その後も様々な作品に出演しアカデミー賞を含む多数の映画賞を受賞・ノミネートされるスカーレット・ヨハンソン。近年ではマーベル・スタジオ作品のナターシャ・ロマノフ役として幅広いファンに浸透、キャリア初のホラー映画主演となる『エクソシスト』の新作も待機している。
2017年にはプロデューサー仲間と共に「These Pictures」を設立し、本作ではプロデュースも兼任。実生活でも信念のある発言で知られる彼女は、本作では自身やその家族のルーツを背景に、この分断の時代に悲しみの経験を友情の物語に昇華した。この初監督作品は、ニューヨークを愛し活発に活動したユダヤ人女性の祖母ドロシー・スターンに捧げられている。
型破りで反骨精神に溢れる老婦人エレノアを演じるのは、ジューン・スキッブ。1950年代から舞台俳優として活動し、『アリス』で映画俳優デビュー。その後も数々の名作に出演し、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』ではアカデミー賞助演女優賞にもノミネートされた。2024年の『テルマがゆく!93歳のやさしいリベンジ』では当時93歳で初の主演に抜擢され、サンダンス映画祭で話題沸騰し日本でも大ヒットを記録したことは記憶に新しい。
そして、エレノアと友情を深めるジャーナリスト志望の学生ニナを演じるのは『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』、マーベル・スタジオのテレビシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」『28年後...』や続編『28年後...白骨の神殿』などに出演する、エリン・ケリーマン。Variety誌の「注目すべき10人のイギリス人」の1人にも選ばれた新進気鋭のスターだ。
さらに、ニナの父でカリスマ的なニュースキャスターのロジャーを演じるのは、ローレンス・オリヴィエ賞をはじめ数々の賞を受賞するアカデミー賞俳優、キウェテル・イジョフォー。第86回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『それでも夜は明ける』、マーベル・スタジオ作品『ドクター・ストレンジ』、『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』などジャンルを横断して幅広い役を演じる名優だ。エレノアの疎遠になっている娘でシングルマザーのリサを演じるのはジェシカ・ヘクト。主にブロードウェイ舞台でキャリアを重ね、日本でも人気となった「ブレイキング・バッド」や「フレンズ」にも出演しているベテラン女優。Netflixオリジナルシリーズ「スペシャル 理想の人生」のカレン役ではエミー賞助演女優賞にノミネートされた。スカーレット・ヨハンソンのブロードウェイ舞台デビューとなったアーサー・ミラー作「橋からの眺め」ではトニー賞候補にもなった。
エレノアの親友ベッシーを演じるのは、リタ・ゾーハー。第二次世界大戦中、ルーマニア(現・ウクライナ)のトランスニストリア県の強制収容所で生まれ、その後ルーマニア、イスラエル、アメリカなど移住を繰り返しながらキャリアを積んだ。第47回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品された『ローラ・アドラーの最期』ではイディッシュ劇場の舞台女優ローラを演じて注目された。本作のベッシーと同様、自身もホロコースト生存者である。
撮影監督は世界各国の作品で活躍するエレーヌ・ルヴァール(『墓泥棒と失われた女神』『ロスト・ドーター』『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』)、プロダクションデザイナーにハッピー・マッシー(『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』『エヴァの告白』)、音楽にダスティン・オハロラン(『マリー・アントワネット』『アンモナイトの目覚め』『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』)と、第一線で活躍するスタッフが集結。監督のスカーレット・ヨハンソンと共に、観光地とは違うこれぞまさに生活のなかのニューヨークというリアルさを追求した。
さらに特筆すべきは初めて長編映画の脚本を担当したトリー・ケイメン。本作は、95歳にしてフロリダからマンハッタンへ大陸横断の引っ越しを成した自身の祖母や家族の歴史を基に8年かけて書き上げられた渾身の1作。Variety誌の「2024年注目すべき脚本家10人」のひとりに選ばれ。そんな脚本に惚れ込んだスカーレット・ヨハンソンが初めての監督を務めることを決意した。
『エレノアってグレイト。』は6月12日(金)より新宿バルト9ほか全国にて順次公開。









