閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
※写真はイメージです
◆アヤさん 52歳
埼玉県在住。長年勤めた病院を今春、退職し、セカンドライフの準備中。46歳の夫、22歳の長女、大学2年の長男、中学3年の次女の5人家族
「え? まだ36歳なのに、私、更年期かもしれない」
長年、看護師として勤務していたアヤさんの生理が途切れ始めたのは36歳のとき。その時期から、手の節々が痛むようになりました。
「3人目を産んでから、生理がほとんど来なくなったんです。でも、そのとき私はまだ36歳。ピルを飲むと症状が落ち着くため、2~3か月ごとにピルを飲んでいました。ピルを飲むと症状が出なくなりますが、しばらくしたら症状がひどくなり、またピルを飲む……。その繰り返しでした」
そんな生活を1~2年、続けていたといいます。
「手のこわばりはリウマチの症状に似ていて、ホットフラッシュの症状もありました。メンタルも不安定で、不調がずっと続いていました」
女性ホルモン低下! 血液検査の結果は、更年期の数値だった
当時、看護師として婦人科に勤めていたアヤさん。多くの患者さんを見てきていますし、婦人科系疾患の知識も豊富です。採血をしてみると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の一種であるE2(血中エストラダイオール)が低下し、下垂体から分泌されるFSH(卵巣刺激ホルモン)が上昇していました。36歳にして、40代後半の更年期の時期に現れる数値が出てしまい驚きでしたが、先輩看護師に聞いてみても「これは更年期の症状だよね」と言われたそうです。
第3子出産後に始めた助産師の仕事。更年期と重なってしまって…
第3子を出産する直前に助産師の学校に通い、国家試験に合格。出産後から助産師として仕事をし始めたアヤさん。しかし、そんなアヤさんを重い更年期症状が襲いました。
「手のこわばりが出てきてしまい、助産師として赤ちゃんを取り上げるにも、ヒーヒー言いながら、仕事をしていました」
ありがたかったのは、婦人科という職場環境。周囲の理解があったため、孤独感に陥らずにすみました。
「見て見て、この数値。これ、更年期だよね~。私、ダメみたい……」などと、軽く話せる同僚がすぐそばにいたことで、ダメージは少なくすみました。そうして、どうにかこうにか、仕事と家庭と子育てを両立させながら、日々を過ごすことができました。
本編では、36歳で突然生理が止まり、早すぎる“更年期”と向き合うことになった看護師・アヤさんの葛藤についてお伝えしました。
▶▶「これからは人生を楽しみたい」40歳で生理が完全終了。10余年後、自由を手にした52歳女性の今
では、長い不調を抜け出し、家族との関係を見つめ直したアヤさんの“これからの生き方”をお届けします。