こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#22
◀前回の記事◀◀熱中症リスク大です!認知症の義母が頑なに「水を飲まない」理由。「頑固で言うことを聞かない」高齢者、どう解決すべき?▶深夜に義母からの電話が!何があった!?
夜中の2時に義母から電話。もしかして「昼夜逆転」してる?
3年ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住/食堂付き)で暮らしています。
ある日、ケアマネージャー(ケアマネさん)から連絡が。「お義母さまがお住まいのサ高住の職員の方から私に電話が入って、昨日も今日も朝食(食堂)に来なかった。様子を見にいくと、まだベッドでお休みになっていたそうなんです。もしかすると、夜眠れていないのかもしれませんね」とのこと。
その話を聞き、夫と私は「あぁ、やっぱり……」と納得! 実はその日と前日、夜中の2時にお義母さんから電話があったのです。時間が時間なだけに「何かあったのか?」と焦ったものの、本人はいたって普通。通常モードで話し始めます。
義母:「〇〇(夫)は仕事中でしょ。だから真由美さんにかけたんだけど、ちょっと聞きたいことがあって」(仕事中の夫に電話をかけるのは申し訳ない、という認識はあるらしい……)
私:「あっ、はい……どうしましたか?」(眠いのでイライラ&ボンヤリ)
義母:「今ね、洋服ダンスを整理していたら、見たこともない洋服がたくさん出てきたの。私のじゃないのよ! これ、どうしたらいい?」(私のじゃないって、そんなハズはない。……っていうか、夜中に整理って? 返答に困ったので、夫にチェンジ)
夫:「もしもし、こんな夜中にどうしたの⁉」
義母:「あれ、仕事は? 夜中って何よ。今、2時でしょ」(あくまでも昼の2時だと主張)
その後、何とか夫が夜中だと言い聞かせ、ひとまず眠るように促したのですが、翌日もほぼ同時刻に連絡があり、似たようなやりとりが……。どうやらお義母さんは、時計の数字は一応読めているものの、昼と夜の区別がつかなくなっている模様。そこで翌日かかりつけ医に相談したところ、日中は眠って夜に行動する「『昼夜逆転』になっているかもしれない」との見解でした。
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さらに、かかりつけ医はこう続けます。「人には1日周期のリズムがあって、これを調整するために『体内時計』という仕組みがあり、脳の視床下部や松果体(しょうかたい)という部位、メラトニンなどのホルモン、自律神経などが複雑に影響し合う。脳の機能が低下する認知症では、体内時計の不調を引き起こしやすいんです」
前回もお話しした見当識障害(※1)も影響し、「朝・昼・夜の区別がつかなくなり、昼夜逆転生活のリズムになっているかもしれない。昼間の活動量を増やしたり、睡眠の環境を見直したりするなど、夜眠れるように考えてみましょう」とのことでした。
(※1)認知症の中核症状のひとつ。時間や場所など、自分が置かれている状況が正しく把握できなくなり、「時間→場所→人物」の順番で認識することが難しくなる。
振り返ってみると、認知症と診断された3年前にも似たようなことがありました。
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