産経新聞社とワークス・ジャパンは、2027年3月卒業・修了予定の大学生、大学院生を対象に、就職希望先調査を実施し、その結果を発表した。学生と持続的に接点を持ち入社後のイメージをよりリアルに訴求できた企業が支持を集めた。 調査は、就活対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、Web上のアンケートフォームで回収した。調査対象は2027年3月卒業見込みの全国大学3年生と大学院1年生。調査期間は、2025年3月1日から11月30日まで。有効回答数は5,895票。 文系総合ランキングでは、伊藤忠商事が1位、三菱商事が2位となり、安定した人気を誇る大手総合商社が上位を占めた。伊藤忠商事は「生活密着型」の事業展開を強みとし、SDGsやDXに関心のある学生を積極的に受け入れる姿勢を示している。一方、三菱商事は資源・エネルギー分野を中心に多角的な事業を展開し、グローバル志向の人材育成に力を入れている。 理系総合ランキングでは、味の素、ソニーグループ、NTTデータグループが上位を占め、技術力と社会貢献性を兼ね備えた企業が高い支持を集めた。味の素は食品業界における研究開発力を背景に、理系学生にとって「健康・栄養・技術革新」を軸にしたキャリア形成が可能な企業として注目されている。ソニーグループは、エレクトロニクスからエンタメ、半導体まで幅広い技術領域を持ち、理系人材が創造性と専門性を発揮できる環境を整えている。NTTデータグループは、AI・クラウド・デジタルガバメントなどの先端領域で活躍できるフィールドが広く、理系学生にとって「社会インフラを支える技術者」としてのキャリアが描ける企業である。これらの企業は、研究開発・技術職において明確な育成方針とキャリアパスを提示しており、学生の志望動機に直結する魅力を持っている。 調査結果からは、企業がインターンシップを通じて学生との接点を早期に築くことが重要視されていることがうかがえる。特に、インターンシップ後のフォロー施策や、学生の志向に寄り添った情報発信、採用Webサイトのコンテンツ充実など、一貫性と網羅性を持ったコミュニケーション設計が求められているという。◆就職人気企業ランキング【文系総合】1位:伊藤忠商事2位:三菱商事3位:味の素4位:サントリーホールディングス、任天堂6位:三菱UFJ銀行7位:ベネッセコーポレーション8位:三井不動産9位:三井物産10位:損害保険ジャパン【理系総合】1位:味の素2位:ソニーグループ3位:NTTデータグループ・NTTデータ・NTTDATA Inc.4位:トヨタ自動車5位:富士通6位:伊藤忠商事7位:サントリーホールディングス8位:資生堂9位:旭化成、三菱商事