40代よりさまざまな更年期症状に悩みに悩み、あらゆる解決法を探ってきた更年期コンビの美容エディター・藤井優美とオトナサローネ編集長・井一美穂。どうやら更年期もそろそろ卒業しつつある2人が、更年期で得た気づきと、アフター更年期について考えます。
前編記事『54歳、もしかして私たち「更年期を抜けた?」ライター藤井×オトナサローネ井一が「更年期の過ごし方、その先の生き方を探る」をガチで語る』に続く後編です。
【藤井×井一・更年期のホンネ】
老化=機能低下を認め、できない自分を受け入れることでこの先の生き方がもっとラクになりそう?
井一 “更年期抜け”と同じで、HRTをしたからといって「すべてが解決!」とは残念ながらいきません。ホルモン由来の不調は軽減されますが、決して若返ったわけではなく、老化は確実に起きていますから。老眼になる、聞こえにくくなる、判断力が鈍る、物忘れがひどい、あちこちが痛い……ってね。これらはHRTをしても改善はされません。
藤井 老化現象、すごくイヤだったのです。でも最近は、機能が低下によりこれまでのように物事を敏感にキャッチできなくなることで、情報に振り回されず、逆に生きやすくなっていくのかも、と考えるようになりました。
ただ、肌にしても、髪にしても、体形維持にしても、これまでの正攻法が本当に通用しなくなってきます。しかも、ふんばりが利きにくくなっているから、生来の気質も出やすくなる気がします。高齢になると、脳の機能の問題とも言われていますが、自制が効かなくなり、「いい人だったのにわがままになる」なんてこともありますよね。
井一 更年期を経験し、自己を顧みることで、老化を受け入れる≠ある種の開き直りもできるようになるというのはメリットだとは思うのですが、人によっては、“いい人でいなきゃあ”というフィルターが外れ、これまで心に留めておくことができた本音がついうっかり口に出てしまったり、イライラを人にぶつけてしまったり。更年期以降それを続けていたら、いわゆる“意地悪ばあさん”になっちゃうのかもしれませんね。
疲れる、やる気がでないのであれば、「やらなければならない」の呪縛を手放すのも賢い方法
藤井 それは気をつけなきゃあ! 40代から身体の機能老化は実感していましたが、50代になると、1年1年本当に老けていく。仕事柄、進化した化粧品の恩恵で肌は何とか保てているけれど、それでも、突然写真を撮られたときや、電車の窓に映った顔は正直直視できません……。
井一 私、この1年、帰宅後にソファーでごろんとすると、そのまま寝落ちしちゃうんです。これまであれば、何が何でもお風呂に入ってメイクオフをしないと、という呪縛があったのに。でも、睡眠前に入浴すると覚醒しちゃって寝つかれなくなっちゃうんですよね。今は「もう仕方がない」と自分を許し、そのまま寝るようにしちゃいました。美容的にはよくないんでしょうけど(苦笑)。
藤井 確かに、1日過ごした肌は汚れていますから、クレンジング・洗顔は必須です。美容を生業にしている私が言うのはちょっと憚れるのですが、夜のスキンケアがストレスになってしまうのであれば、多少スキップしても大丈夫。その代わり、翌朝、きちんとクレンジングをしてください。とはいえ、メイクオフしなかったことが罪悪感になってしまうようなら、拭き取りクレンジングで汚れをオフし、乾燥する部分があるのならクリームを塗っておくだけでも大丈夫ですよ。
体の不調はあるけれど、更年期のメンタル不調の経験をバネに、明るい未来を切り拓いていきたい!
井一 自分を静観し、身体の不調はこれからも出てくるとは思うけれど、更年期を抜けた今、メンタル的には今よりラクに。ただ、この時期の過ごし方で見た目もキャラも大きく変わりそうです。高齢出産だった私たちの娘は、まだ10代ですが、同い年でもすでにお孫さんがいらしておばあちゃんになられている人もいるわけだから、同世代でも置かれた環境がずいぶんと違いますよね。
藤井 決して若返る必要はないけれど、毎日確実に老化はしているわけだから、少しでもこの下降線をならだかにする生活は取り入れていきたいですね。
井一 アンケートでも、更年期をきっかけに始めた運動やサプリなどの習慣をこれからも続けていきたいという意見が多かったのも大きな特徴。ただ、メンタルの不調を抱えたみなさんでしたが、更年期が抜けたこれからは、新たな学びの機会を模索していたり、新しい趣味を見つけたり、目標を持ったり、やっぱりアクティブなのです。体の不調はこれからも続くかと思いますが、やはり更年期抜けは明るい未来が待っている、というよりも、明るい未来を作っていきたいですね。
■アンケート更年期以降、楽しみにしていること、実践していることは?
つづき>>>54歳、もしかして私たち「更年期を抜けた?」ライター藤井×オトナサローネ井一が「更年期の過ごし方、その先の生き方を探る」をガチで語る