埼玉県、IoT暑さ指数計で熱中症予防…新システム導入 | NewsCafe

埼玉県、IoT暑さ指数計で熱中症予防…新システム導入

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暑さ指数計を設置した観測点
  • 暑さ指数計を設置した観測点
  • 日常生活に関する指針 日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)より
  • IoT暑さ指数計(左:2024年度までの機器、右:2025年度開発した機器)
  • リアルタイムの暑さ指数の表示例
 環境科学国際センターは、埼玉県内30か所に設置した「インターネットにつながる暑さ指数計」を用いて、リアルタイムの暑さ指数を公開している。これにより、屋外活動や日常生活における熱中症予防に役立てることができる。

 埼玉県気候変動適応センターのWebサイト「SAI-PLAT」では、県が測定を行う30か所における10分おきの暑さ指数および風向風速を公開している。これにより、県民は日常生活において暑さ指数を意識し、熱中症の予防に活用することが可能となる。

 環境省熱中症予防情報サイトでは、国が測定を行う県内8か所における1時間おきの暑さ指数を公表している。これらの情報を活用することで、より効果的な熱中症予防が期待される。

 暑さ指数(WBGT)は、気温、湿度、日射・輻射熱の3つの要素を取り入れた熱中症の危険度を表す指標。暑さ指数が28以上の場合、日常生活におけるすべての生活活動において熱中症の危険性が高まるため、冷房の利用や外出を控えるなどの予防対策が必要となる。

 環境科学国際センターは、2021年度にIoT暑さ指数計を開発した。この機器は、温湿度計と黒球温度計の値から暑さ指数を自動で計算し、インターネットを経由してリアルタイムでの情報提供が可能である。さらに、環境科学国際センターと渡辺製作所は共同研究を行い、より高性能な機器を2024年度に開発した。2025年度は30か所中、15か所に設置されている。

 2025年度からは、建設技術研究所のRisKmaを活用して、暑さ指数とともに風向風速の情報提供を行う。過去の観測結果から、海からの冷涼な空気が到達する日は、県南部から北部に向かって暑さ指数が低下する傾向があることがわかった。これにより、暑さ指数の変化と風向風速の分布を同時に確認できれば、より効果的な熱中症の予防が可能と考えられる。

 環境科学国際センターと建設技術研究所は、より効果的な情報提供を行うことを目的に共同研究を行い、RisKmaを活用して、暑さ指数の変化と風向風速の分布を同時に表示できるシステムを開発した。
《吹野准》

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